第75回日本ダービーの売上と公営競技の売上について

ディープスカイが優勝した第75回日本ダービー。今回はJRAプレミアム*1対象レースでもあり実際その前に対象レースだった中山金杯京都金杯は売上げが増加したため、売上増の期待もあったようですが結果は
http://www.jiji.com/jc/c?g=spo_30&k=2008060100202

1日、東京競馬場で行われた日本ダービーの馬券売り上げは279億9187万9400円で前年比9.1%減と落ち込んだ。10年連続のマイナスで200億円台は1989年以来。入場者数も前年比4.8%減の12万4951人だった。

となってしまいました。さて記事に10年連続マイナスとありますがここ10年どういう売上状況だったかというと

いよいよ競馬の売上がヤバくなっている件 20

http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/keiba/1211728768/

http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/keiba/1211728768/38
38 名前:名無しさん@実況で競馬板アウト[sage] 投稿日:2008/05/26(月) 19:40:16 id:meD3opoA0 [PC]
日本ダービーの売上ランキングトップ20
01 1994年 567億8629万400円
02 1993年 545億631万3700円
03 1995年 521億3437万6900円
04 1996年 475億7896万300円
05 1992年 472億6134万8300円
06 1998年 465億5160万8600円
07 1997年 464億2846万1300円
08 1999年 438億7591万5400円
09 1991年 435億9186万3500円
10 1990年 397億3151万3500円
11 2000年 378億6736万9700円
12 2001年 356億4480万2500円
13 2002年 351億6929万7300円
14 2003年 339億2401万3300円
15 2004年 333億7212万7500円
16 2005年 328億6636万800円
17 2006年 316億3855万1200円
18 2007年 308億290万1700円
19 ←←←←←←←←←←←← 2008年はおそらくここ
20 1989年 292億840万8000円

上記のレスを過去10年の年代順に並び直し2008年の売上を加えるとこうなる
1998年 465億5160万8600円
1999年 438億7591万5400円
2000年 378億6736万9700円
2001年 356億4480万2500円
2002年 351億6929万7300円
2003年 339億2401万3300円
2004年 333億7212万7500円
2005年 328億6636万800円
2006年 316億3855万1200円
2007年 308億290万1700円
2008年 279億9187万9400円
一番売上が良かった1994年から比べると半減以下になっている。JRAの年間売上高(詳しい推移はこちら)も減少が続いておりなかなか厳しい

他の公営競技はどうなのか

公営競技の2007年の売上状況を見てみると

競輪

http://sankei.jp.msn.com/sports/other/080416/oth0804161947017-n1.htm

全国競輪施行者協議会は16日、2007年度の車券の総売り上げが、06年度比97.6%の8400億7666万6000円だったと発表した。約1兆9550億円でピークだった1991年度以降、連続して減少している。

オートレース

http://www.sponichi.co.jp/gamble/flash/KFullFlash20080331053.html

オートレースの2007年度の総車券売上額が、06年度比99・4%の1091億9518万2000円だったと発表した。

競艇

ニュース | 日本財団

(財)日本モーターボート競走会は1日、2007年度(2007年4月1日〜2008年3月31日)の競艇の売上が1兆75億1,389万7,800円だったと発表しました。売上が1兆円を超えたのは2003年度以来4年ぶりのことで、2006年度に比べ約3.8%増です。前年度より売上が増えたのは 1995年度以来

地方競馬

http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2008/04/04/15.html

07年度地方競馬開催成績がまとまり、総売り上げ額は3804億197万2500円(前年度比101・2%)で2年連続の増加となった。

競輪、オートレースが減少。特に競輪はJRA同様に長期に渡り売上減少が続いている。逆に売上増が競艇地方競馬地方競馬の2年連続増加はかなり意外だと思ったが考えてみればそれだけ不採算の競馬場を閉鎖した結果でもあるんだろうなと

ちなみに公営競技全体としてみると16年連続で売上高の減少がつづいています
公営競技 - Wikipedia

1992年の公営競技の売上高は過去最高額の8兆9320億円を記録したが、2005年には5兆2440億円、2006年には5兆1330億円、2007年には5兆 0900億円と16年連続で減少し続けている。このうち、中央競馬は69%への減少にとどまっているものの、他競技は全て50%以下まで売上が減少している。オートレース(31%)、地方競馬(39%)、競輪(42%)、競艇(45%)、の順に減少が激しい

好調な公営ギャンブル

公営競技が売上げ不振なのに対して逆に堅調、好調なのが宝くじ、totoBIG、ナンバーズ、ロト6といった"くじ系"
http://sankei.jp.msn.com/sports/race/071223/rac0712232127001-n1.htm

低調だったサッカーくじが今年は“V字回復”に転じた。今年の売り上げは約511億円と、本格販売が始まった平成13年の約604億円に次ぐ2位。昨年の約4倍を売り上げた。

 好調の柱は最高当せん金が6億円と高額で試合結果を予想せずに購入できる「ビッグ」。売上高は371億5999万円で、対象試合数が5試合少ない「ミニビッグ」の30億401万円と合わせて、予想いらずの「宝くじ系」が売り上げ全体の約80%を占める。

宝くじの総売り上げは18年度が約1兆938億円で過去最高レベル。今年度についても、みずほ銀行宝くじ部では「昨年並み」と見込んでおり、13年度から続く1兆円の大台は維持する見通しだ。

 主力の「ジャンボ系(サマージャンボ、年末ジャンボなど)」が総売上に占める割合は平成4年ごろには約7割あったのに対し、近年は4割程度まで低下。一方で、ナンバーズやロト6などの「数字系」が6年度のナンバーズ発売以来増加し続け、昨年度は約4233億円と全体の約4割まで占めるようになった。

サッカーくじ売上金の推移
宝くじ販売実績・年度別推移
totoBIGも宝くじ系も予想をする必要が無く、当選額が大きいというのが特徴でしょうか

売上減少の要因

公営競技における売上減少の最大の要因はサラリーマン世帯の賃金が上がらないことによる可処分所得の問題だとは思うけど、もうひとつtotoBIGや宝くじ系が好調なのを考えると「予想」がネックになっているんじゃないかと。予想というのはギャンブルにおける大きな楽しみではあるけど新規層を取り込みにくくする要因にもなりやすい。実際totoBIGが好調なのに予想が必要な本家のtotoは売上が伸びていない
予想するのに研究や勉強するくらいなら投じた金がそう簡単に0にはならない株やったほうがマシだし、面倒ならtotoBIGや宝くじで一攫千金を狙う。そんな考えをもつ人たちが増えてきてるのかなと思ったりする

*1:通常の払戻金に売上の5%相当が上乗せされる