ファミレスはこの先生きのこれるか
ファミレスの終焉 - だから問題はコミュニケーションにあるんだよ by com-lab
こちらの記事を読んでいて昨今ファミレスを含めた外食産業に関して業績にしろ労働環境にしろあまりいい印象が無いなあと思いつつも、実際どんな状況なのかをhttp://www.gaishokusoken.jp/index.cfmや日本フードサービス協会の資料からいろいろ見てみます
外食産業全体の状況
まず外食産業全体の市場規模について
http://www.gaishokusoken.jp/index.cfm
平成19年外食産業市場規模推計について(pdf)
2005年から2007年の外食産業全体としては
平成17年(2005) | 平成18年(2006) | 平成19年(2007) |
---|---|---|
243,903(△0.4%) | 246,403(1.0%) | 247,009(0.2%) |
※単位は億円。()内は対前年増加率。△はマイナス
飲食店で絞ってみると
平成17年(2005) | 平成18年(2006) | 平成19年(2007) | |
---|---|---|---|
飲食・レストラン | 86,254 (0.7%) | 88,559 (2.7%) | 89,114 (0.6%) |
そば・うどん店 | 10,657 (0.1%) | 10,600 (△0.5%) | 10,605 (0.0%) |
すし店 | 12,915 (0.8%) | 13,905 (1.4%) | 13,104 (0.1%) |
その他飲食店 | 11,739 (0.8%) | 11,976 (2.0%) | 11,983 (0.1%) |
※単位は億円。()内は対前年増加率。△はマイナス
ほとんど変化が無いような。外食産業というのはあらためて成熟産業なんだなと
ファミレスの現状
次にファミレスについての状況
日本フードサービス協会
外食産業データよりファミレスのみの数字を抜粋
売上金額前年比 | 利用客数前年比 | 店舗数前年比 | 客単価前年比 | |
---|---|---|---|---|
97年 | 106.2% | 105.3% | 109.1% | 98.5% |
98年 | 104.2% | 105.3% | 108.8% | 99.0% |
99年 | 103.3% | 104.8% | 109.0% | 98.6% |
00年 | 103.6% | 104.4% | 106.3% | 99.2% |
01年 | 103.0% | 103.7% | 107.2% | 99.3% |
02年 | 101.8% | 104.5% | 109.1% | 97.4% |
03年 | 99.7% | 101.3% | 107.7% | 98.5% |
04年 | 101.0% | 100.4% | 104.7% | 100.6% |
05年 | 100.4% | 98.8% | 101.2% | 101.5% |
06年 | 100.0% | 98.9% | 99.4% | 101.0% |
07年 | 99.7% | 100.6% | 99.2% | 100.4% |
07年度(07年4月から08年3月まで)のファミレスの専門別全店データだとこうなる
売上高前年比 | 店舗数前年比 | 客数前年比 | 客単価前年比 | |
---|---|---|---|---|
洋風 | 100.3% | 102.0% | 100.0% | 100.3% |
和風 | 102.1% | 101.4% | 99.0% | 103.1% |
中華 | 95.2% | 99.8% | 97.3% | 97.9% |
焼肉 | 96.7% | 95.2% | 95.4% | 101.3% |
合計 | 99.7% | 100.6% | 99.2% | 100.4% |
前年比〜%という数字しかないからちょっと見づらい。それで07年の他の業態の売上高で比べてみると「ファーストフード」は前年比106%、「居酒屋・パブ」が前年比101.8%、「ディナーレストラン」が前年比106%、「喫茶」が前年比104%、「その他」が105%。ファミレス以外は売上を前年より売上を伸ばしている。ただファミレスも全体としては言われるほど悪いわけでもないとも思う
さらにファミレスの専門別のデータを見てみると中華と焼肉の落ち込みが目立つ。これはおそらく毒餃子やBSEの影響なんだろうなあ
直近の状況
そして直近の状況はどうなのか
※ファミレス全体。数字は前年同月比
売上高 | 店舗数 | 客数 | 客単価 | |
---|---|---|---|---|
4月 | 96.4% | 100.1% | 95.8% | 100.6% |
5月 | 99.5% | 99.7% | 98.7% | 100.7% |
6月 | 96.1% | 99.6% | 95.4% | 100.7% |
比較としてファーストフードのデータ
※数字は前年同月比
売上高 | 店舗数 | 客数 | 客単価 | |
---|---|---|---|---|
4月 | 100.0% | 100.3% | 98.8% | 100.0% |
5月 | 102.6% | 100.1% | 100.9% | 101.7% |
6月 | 103.1% | 100.4% | 103.7% | 99.4% |
物価高、燃料高が著しくなった4〜6月までのデータだけどファミレスの売上高、客数の落ち込みが大きい。他にも居酒屋・パブ、ディナーレストランといった客単価が高めのところも苦戦している。逆にファーストフードや喫茶といった客単価が低めのところは堅調とやはり物価高の影響は大きい
ファミレスについての雑感と予想
現在のファミレスで特にすかいらーくやデニーズのようなタイプはあらゆる意味で立ち位置が中途半端すぎると思う。値段で勝負できるわけでもなく、サービスで勝負できるわけでもなく、料理の質で勝負できるわけでもない。今後デリバリー、中食といった方向に進んでいきそうな感じもするけどそれはスーパーやコンビニのような他業態との競争を強いられる。ある意味八方塞がりな印象が否めない。となると縮小傾向とはいえ現状のファミレス市場で生き残るための方策をまずは模索してくるんじゃないかなと。そうすると考えられるのは「合併」なわけで、そのうちファミレスでかなり大きな合併があるんじゃないかなと個人的には思っている