国税庁の「酒のしおり」から見るお酒の現状-チューハイ編-

スーパーや酒屋に行くと感じることですがチューハイの売り場面積が大きくなってるなあと。そういえばちょっと前にこんな記事が話題になっていて
痛いニュース(ノ∀`) : 「苦くて、おいしくない…」 ビール飲めない若者が急増中 - ライブドアブログ

国内でのビールの総消費量は94年をピークに減り続けている。売り上げが伸びている。第3のビール発泡酒を含めた総需要も右肩下がり。代わって伸びているのがチューハイやカクテル類だ。

さてでは実際にどのくらいチューハイが販売、消費されているのか。その資料が国税庁ホームページのにある酒のしおり|統計情報・各種資料|国税庁にあります
酒類販売(消費)数量の推移(PDFファイル/1,006KB)より抜粋

その他の
ビール 発泡酒 醸造酒等 リキュール スピリッツ等
平成8 6,697 289  17 236  30 9,657
平成9 6,330 431  17 244  27 9,410
平成10 5,857 926  19 262  24 9,456
平成11 5,508 1,278  19 344  23 9,554
平成12 5,185 1,574  16 381  27 9,520
平成13 4,622 2,157  15 447  27 9,556
平成14 4,133 2,464  15 541  26 9,455
平成15 3,783 2,403  43 580  38 9,120
平成16 3,617 2,213  232 692  59 9,042
平成17 3,408 1,681  898 736  62 9,015
平成18 3,305 1,518  1,032 745  79 8,856

※単位は千KL
※計は全酒類の合計値
日本の酒税法における分類はかなり曖昧というかいい加減で基本的にチューハイは「リキュール」類の扱いになります*1。こう見ると順調に販売、消費量は増加してるとはいえビールや発泡酒に比べると規模としてはまだまだ大きくないことがわかる。というかその他醸造酒等(いわゆる第3のビールが基本的にこの扱いになる)*2より少ないんですね。もっともビールや発泡酒、第3のビールは飲食店や居酒屋等での消費も多いため差がつくのは当然といえば当然で、小売りベースだと差はもっと縮まるんじゃないかとも思います

チューハイの今後の予想

ビール離れが進んでいると言われてはいますがなんだかんだで日本の酒の消費はビール系に偏っていて、通常のビールだけで約37%。発泡酒、第3のビールなどを含めると約66%を占めている。そのためなのか日本のビールは諸外国に比べてかなり割高な酒税率の設定になっています、また発泡酒や第3のビールも税率が上がってきている。そのためチューハイは値段の安さでしばらくは順調にシェアを拡大していくんじゃないかと思われる。ただある程度そのシェアが大きくなってくればチューハイも増税の対象になる可能性が高い。あと味に関していうと全般的に「甘い」味が多いため酒の消費が多いであろう成人男性に対する訴求力がちょっと弱いかなあと
今後チューハイがビール系を越えていこうとするなら現在の低価格の維持(将来的な増税や原材料高騰に対する対応)と味の多様性(成人男性に受ける味の開発)。このあたりが課題になっていいくんじゃないかと考える



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*1:カクテル系もこの扱い。またチューハイの一部はスピリッツ類の扱いにになっているためスピリッツ等も併記してあります

*2:ただし第3のビールの中でも発泡酒にスピリッツや焼酎を混ぜたタイプのものはリキュール扱いになる。このあたりややこしい