バンダイナムコホールディングス第2四半期の映像コンテンツ事業の売上を見てみた

11/5にバンダイナムコHDの第2四半期の決算が発表されました。以前こんな記事を書いたことがあったので同じく映像コンテンツ事業の項目を中心に見てみたのですが
株式会社バンダイナムコホールディングス
平成21年3月期 第2四半期決算短信(pdf)

[映像コンテンツ事業]
映像コンテンツ事業につきましては、映像パッケージソフトにおいては、TVアニメーションマクロスF(フロンティア)」・「コードギアス 反逆のルルーシュ R2」をBlue-ray DiscとDVDで同時に発売し人気となりましたが、DVDからBlue-ray Discへのハードウェアの移行に伴う端境期のなか、全体的に低調推移となりました。なお、音楽パッケージソフトにおいては、アニメーション向けを中心に好調に推移いたしました。
この結果、映像音楽コンテンツ事業における売上高は15.993百万円(前年同期比10.6減)となりました。また営業利益につきましては、のれんの償却費の計上もあり654百万円(前年同期比78.4%減)となりました。

マクロスFコードギアスR2とも
「コードギアス R2」のBD/DVD出荷枚数が10万枚突破

 バンダイビジュアル株式会社は22日、同日にBlu-ray DiscとDVDビデオで第1巻を発売した「コードギアス 反逆のルルーシュ R2」について、初回出荷枚数の合計が10万枚を越えたと発表した。BD/DVDの割合などは公表されていない。

 DVDのみでリリースされた前シリーズの第1巻と比べて140%となり、前シリーズも含めたシリーズ全体の累計出荷枚数は90万枚を突破したという。なお、同社のBD/DVDでは、7月25日に発売された「マクロスF(フロンティア)」の第1巻においても、BD/DVDの合計初回出荷枚数が10万枚を記録している。

7月25日発売の「マクロスF」Blu-ray版が45,000枚を出荷

 バンダイビジュアル株式会社は、7月25日に発売したアニメ「マクロスF(フロンティア)」のBlu-ray Discビデオ/DVDビデオの第1巻が、合計10万枚を出荷し、その内45,000枚をBlu-rayが占めたと発表した。同社BDビデオの売り上げで、過去最高の記録だという。

といった景気のいい話が出ていたの映像コンテンツ事業の売上も多少は良くなってきているのかなと思っていましたが平成20年第2四半期の17,888百万円(前年同期比7.2%減)からさらに売上を落とす結果となっている

売上減少の要因

それで売上減少の要因は何かというとDVDを中心とした映像パッケージの不振にある
2009年3月期(平成21年3月期)第2四半期決算短信 補足資料(pdf)の映像音楽コンテンツ事業の売上比率より
※単位:億円。()内は構成比

映像パッケージ 制作・ライセンス 合計
2008年度2Q累計実績 110(69.2%) 49(30.8%) 159
2007年度2Q累計実績 139(78.1%) 39(21.9%) 178

映像パッケージののなかで音楽は「音楽パッケージソフトにおいては、アニメーション向けを中心に好調に推移いたしました。」と述べているくらいだから悪くなかったこと考えると、決算短信で述べられているマクロスFコードギアスR2以外の映像作品の売上が良くなかったということなんだろうなあ。もっともマクロスFコードギアスR2も第2四半期までで発売されたのは1巻だけで今後続巻の売上もありますし、頼みの綱といっていいガンダム新作のDVD/Blue-ray Discも発売されますから第3四半期及び通期の売上はまた変わってくるとは思いますが

アニメDVD/Blue-ray全体としての予想

日本映像ソフト協会報 No.130(pdf)を見ると2008年上半期(1月〜6月)の日本のアニメーション(一般向け)DVDビデオ売上は販売用(個人向け)が24,606百万円(前年同期比86.5%)、レンタル店用が9.695百万円(前年同期比88.1%)と非常に厳しい状況。それでも下半期はマクロスFコードギアスR2等のヒット作もあるから盛り返してくるかなと思っていましたが、このバンダイナムコHDの売上状況をみるとヒット作があってもその他の作品の売上が想像以上に厳しい。そしておそらく他の会社でも似たような傾向でしょう。となると通期でもアニメDVD/Blue-ray Disc全体の売上が2桁以上のマイナスになってしまう可能性が高くなってきていると思われる