「ファイル共有ソフトの利用に関する調査〜アンケート調査〜」を読んでみた

2chダウンロード板の状況を調べてみた - longlowの日記で少し触れましたがACCS - 一般社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会が公表しているファイル共有ソフト利用実態調査」はなかなか興味深いです。そこでニュース等であまり触れていないような点や個人的に気になった点について見てみようと思います
資料は
ファイル共有ソフトの「現在利用者」、初めて1割を超える〜利用実態のアンケート調査、クローリング調査の結果まとまる〜(2008/12/12)〜
アンケート調査結果(概要)(pdf)より

なぜファイル共有を始めたのか


全体だと「友人・知人・家族から聞いた」が一位ですが、男女別にみると女性は同じですが男性は「パソコンやインターネット関連の雑誌」が一位になっています。この「パソコンやインターネット関連の雑誌」の割合は年齢層が高いほどその比率が上がっています。ネト○ン、I○、wi○dows100%等の雑誌の影響力はまだまだ健在のようのです。またネット上では「宣伝になっている」等言われかなり影響があるんじゃないかと思われている「新聞・テレビの報道」ですが全体の割合では2.1%とあまり影響はないようです。もっとも二次的な影響はあるかもしれませんが
ちなみにACCSはファイル共有を扱うような雑誌・書籍に関してhttp://www.askaccs.ne.jp/xoops/modules/weblinks/でこんなことを述べています
http://www.askaccs.ne.jp/xoops/modules/weblinks/viewcat.php?cid=9&sortid=0&page=2

c474 ファイル交換ソフトについて。
質問内容
Q1最近、WinMXなどに代表されるファイル交換ソフトが雑誌・書籍などでかなり掲載されています。その書籍などには「アップロードは違法だがダウンロードは違法ではない」と多くの人にファイル交換ソフトを勧めるような文章を載せている場合がありますが、実際のところはどうなのでしょうか。
福島県、高校生、16歳)

Q2WinMXのことで質問です。PC関連の雑誌などには、「違法です」と書いてあるにもかかわらず付属のCD-ROMにWinMXインストーラーが入っていますが、これは許されるのでしょうか。これでは、違法ユーザーが増えるだけだと思うのですが。
三重県、高校生、17歳)


ACCSからの回答
ファイル交換ソフトなどを使って、他人が権利を持つ著作物のファイルをダウンロードすることは、ただちに違法というわけではありません。著作権法は、私的な使用を目的とした複製については、一定の条件の下に許しているからです。しかし、もともとアップロードするつもりで著作物をダウンロードすることや、ダウンロードしたコンピュータソフトウェアを仕事などに利用することなどは違法になります。また、多くのファイル交換ソフトは、ダウンロードした著作物を保存するフォルダと、アップロードする著作物を保存するフォルダが同一に設定されていることから、ダウンロードしたとたんにその著作物がアップロードされるため、違法行為となるおそれがあります。
また、ファイル交換ソフトを紹介する雑誌については、モラルや品性の観点からはどうかと思われる内容のものがほとんどですが、ファイル交換ソフトを紹介することや、許可を得てファイル交換ソフトを配布することについては、違法行為であるとは言えません。わが国には、まだなんでも書ける自由があるということでしょう。ただし、ファイル交換ソフトを使って他人の著作物をアップロードすれば著作権法に違反するおそれがありますので、いくら雑誌に書いているからといって、善悪の判断もなく実行することは問題があることを十分に認識してください。

皮肉っぽいです

ファイル共有をやめた理由


ファイル共有をする理由のほうは「〜が無料でDLできる」という理由ばかりなのですが、止めた理由のほうはなかなか多彩です。まず1位、2位は情報流出や著作権の問題、これは当然として3位は「飽きた」というのが。。。ファイル共有って飽きるものでしょうか。ちなみ去年の調査もこの上位3つは同じ結果です
また「Yotubbeなどの動画投稿サイトをみればいい」という理由が6位で去年より約3%増加しています。動画なんかはファイル共有から動画共有サイトへの鞍替えが増えているのでしょうか。あと逮捕者が出たから止めたというのはあまり多くないです。現状だと逮捕者は一次放流者に集中しているのも一因なのでしょう。ただ今後「ダウンロード違法化」が成立した場合はまた変わっていくのではないかと思います

ダウンロード数


音楽ファイルのダウンロード数が際だっており1年間のダウンロード数が50を超えるようなヘビーユーザーも多い。これはGnutellaLimeWireCabos)の流通ファイルに音楽系がとにかく多いことが理由なのでしょうが(これについては別に取り上げる予定)。あと2chダウンロード板を見てると思うことなのですがアニメやゲーム、ビジネスソフトのようなアプリケーションソフトのダウンロード数が思った以上に少ないかなと

接続時間


帯域問題にも関わる接続時間だけど現在利用者の内1日中使っているような人は平日で11.6%、休日で14.2%とさほど多くはないです。たいていは接続時間が3時間未満で、「ほとんど接続しない」が平日と休日で大きく隔たりがあるところ見ると休日だけしか接続しない層も多いのではないかと思います。本当は「一週間にどれくらい接続するか」という項目があればよりはっきりするところなのでしょうが

消費への影響


これについてはACCSのサイトで「アンケート調査結果(ポイント)」として触れられているのですが、あれだけ見ると「減った」以外がわかりづらいのでこれも載せてみました。こう見ると多くは「変わらないと」と答えています。まあ普段購入しないから「変わらない」という層もありそう気もしますが

ちょっとした雑感

ニュース記事だと
ファイル共有ソフトの「現在利用者」は10.3%、ACCSなどが調査
ファイル共有ソフトの「現在利用者」、1割超える──ACCSなど調査 - ITmedia News
と現在利用者が1割を超えたということが前面にきていてその印象がだけが強くなってますが、調査報告書を読んでみるとまた違った一面が見えてきます。ここに触れた以外にも面白そうな項目もあるため暇があれば目を通してみるのもよいかもしれません