2008年日本で苦戦した洋画。アメリカではどうだったのか

邦画の収入が大差で洋画を圧倒 08年ポニョ効果で過去最高に - 47NEWS(よんななニュース)

日本映画製作者連盟(映連)は29日、2008年の全国映画概況を発表した。興行収入(興収)は日本映画が前年比22・4%増の約1158億6000万円と過去最高を記録し、前年比23・9%減の約789億8000万円と落ち込んだ外国映画を大幅に上回った。

 日本映画が外国映画を上回るのは2年ぶりで、外国映画は興収ベースでの発表に変えた2000年以来最低。興収に占めるシェアでも、日本映画59・5%、外国映画40・5%と大差が付いた

記者会見した映連の大谷信義会長は「『崖の上のポニョ』が大きな数字を挙げて(日本映画の)けん引力となった。逆に外国映画は大作がなかった」と語った。

 シネコンの新設が続き映画館数(スクリーン数)は前年より138増加したが、興収の総額は約1948億4000万円(前年比1・8%減)、入場人員も約1億6050万人(同1・7%減)にとどまった。

2008年の日本での興行収入では洋画が苦戦していたことが伝えられてますが、2008年の上半期は


洋画離れ止まらず 興行収入4割減少

 20世紀フォックスやワーナーなど洋画大手5社の今年1月〜7月の興行収入累計が昨年同時期の約4割減の大幅な落ち込みを記録した。業界では、消費不況による節約ムードや、若者らに字幕が敬遠されていることなどが原因とみており、今年後半も大きな回復は期待できないとの見方が広がっている。

 日本映画製作者連盟によると、大手5社と単館系作品を中心に扱う独立系5社をあわせた洋画の興収累計(1月〜7月)は約461億円で30・8%減だった。うち、独立系は約126億円で1・9%増だったが、大手5社は約335億円で38・3%減の激しい落ち込みとなった。

という状況だったのでそれなりに巻き返したと言ってもいいのかもしれない。とはいえ洋画が不調なのには変わりはないわけですが、では洋画の主な供給元であるアメリカの状況はどうだったのか?

2008年アメリカの興行収入、観客動員

これについて一般社団法人日本映像ソフト協会(JVA)日本映像ソフト協会報 No.132(pdf)「2008年米国劇映画とビデオ市場について」という記事にて書かれています

2008年の劇場興行収入は、前年比1.6%増の97億8,000万ドル(推定)となった『タイタニック』に次ぐ歴代興収を記録した『バットマン』シリーズ最新作、『ダークナイト』(5億3,103万ドル)を皮切りに『アイアンマン』(5億1,931万ドル)、『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』(5億1,702万ドル)など5月から始まる夏シーズンの大作が相次いで大ヒット、結果、通年ベースで過去最高の数値を達成した。興行収入1億ドルを突破した作品は25タイトル、うち2億ドルを超えたのは6タイトルで、前年とくらべいずれも3タイトル減少している。
劇場動員数は13億6,000万人*1で、前年から約4%(4,000万人)減少した。歴代最高興収は、入場料の上昇(全米平均7,2ドル、前年比4.7%増)に依存したものである。この数値は過去10年間のなかでは最低で、劇場動員は頭打ちのとうに映るが、サブプライム問題、金融機関の破綻、失業率の上昇、消費低迷など、大恐慌の再来と言われるほど混乱する経済の中、「劇映画鑑賞」は比較的安定したレジャー活動と言うことはできそうだ。


ちなみこの記事で触れられている作品の日本での興行収入はインディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国が57.1億円、ダークナイトが16億円(共に数字は一般社団法人日本映画製作者連盟2009年記者発表資料(2008年度統計)(pdf)より)、「アイアンマン」に至っては興行収入が10億円以下だったので資料には数字が無いのですが「アイアンマン」の国内興行収入 - 今年公開された「アイアンマン」の... - Yahoo!知恵袋だと8.5億円くらじゃないとかと言われています
インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」は日本でも洋画興行収入の第一位の作品なのでまあいいとして、「ダークナイト」と「アイアンマン」の2作品はアメリカと違い日本では本当に苦戦していたことがわかる


おそらく今までならアメリカでヒットした作品は日本でもヒットする確率が高かったかと思います。しかしその傾向が通じなくなってきたのが2008年の洋画苦戦の結果に表れてきたのかなあと。今後はいかに日本向けの作品を探してくるかが洋画復活の鍵になるのかもしれない

*1:本文では1億3,600万人なっているがおそら記述ミスかと思われる