アニメ関連のCDの新譜数と今後のCDランキングについて
ヒットランク1、2位独占 「アニメ曲」席巻の裏事情 : J-CASTニュース
アニメ「けいおん!」のオープニング曲、エンディング曲がオリコンの2009年4月25日付けデイーリーシングルCDランキングで1位、2位を独占した。このアニメ、09年4月放送から原作のマンガ本がバカ売れ。登場キャラが持っている楽器まで注目されるなど社会現象化し始めているが、この日のオリコンランキングのトップ10のうち、なんと6曲がアニメ関連の曲。なぜなのか。
アニメ関連の曲がオリコンなどのCDランキングで上位に来ることは最近では珍しくもない話ですが、では実際どのくらいアニメ関連のCDが発売されているのか?以前にも少し書いたことがありますが2008年のデータも出たのでもう一度まとめてみます
アニメ関連のCDの新譜数
※新譜数は1999年から2007年までは一般社団法人 日本レコード協会のオーディオレコードの新譜数より、2008年は日本のレコード産業2009年度版(pdf)より抜粋
※シングルの数字は8cmCDと12cmCDのシングルの数字を足したもの
※総シングル数と総アルバム数は邦盤と洋盤を足したもの
アニメのシングル新譜数 | 総シングル新譜数 | アニメのアルバム新譜数 | 総アルバム新譜数 | |
---|---|---|---|---|
1999年 | 177 | 3,020 | 705 | 12,573 |
2000年 | 149 | 2,689 | 532 | 11,333 |
2001年 | 139 | 2,479 | 553 | 10,808 |
2002年 | 141 | 2,234 | 612 | 10,734 |
2003年 | 171 | 2,513 | 632 | 10,933 |
2004年 | 210 | 2,612 | 584 | 12,019 |
2005年 | 165 | 2,772 | 597 | 14,136 |
2006年 | 201 | 2,957 | 548 | 15,377 |
2007年 | 215 | 2,978 | 539 | 16,146 |
2008年 | 236 | 2,918 | 503 | 15,823 |
※総新譜数は8cmCD、12cmCD、アナログ、カセットを足した合計値
アニメの総新譜数 | 総新譜数 | |
---|---|---|
1999年 | 935 | 17,593 |
2000年 | 717 | 15,765 |
2001年 | 727 | 14,682 |
2002年 | 770 | 14,079 |
2003年 | 814 | 14,768 |
2004年 | 796 | 15,668 |
2005年 | 764 | 17,885 |
2006年 | 752 | 19,201 |
2007年 | 755 | 20,023 |
2008年 | 739 | 19,445 |
今後もアニメ関連のCDがランキングを席巻するのか?
アニメ関連ののCDがランキングを賑わすのは主にシングルかと思いますが新譜数自体はシングル全体の1割にも満たない。それでもランキングの上位に入ってきたりするのですから人気の高さは確かなものでしょう。ただアニメ関連のCDは新譜数自体が少ないのと基本的にCDの売上はアルバムがその多く占めているため売上高で見るとアニメ関連のCDはそう目立つ存在では無いそうです。ですから
ヒットランク1、2位独占 「アニメ曲」席巻の裏事情 : J-CASTニュース
CD売上げランキング上位をアニメソングが席巻していることについて大手レコード会社の担当者は、最大の原因はJポップと言われる邦楽ジャンルが低迷しているためだ、と話す。
「アニメソングの市場が拡大しているというわけではありません。Jポップが売れないことで、ランキングに異変が起きているんです。売れたといわれるアニメソングでも、結局、CDの売上げ枚数は数万枚、という事が多い」
というのだ。そのため、アニメソングは大事なジャンルではあるものの、アニメソングに今まで以上に力を入れるレコード会社は多くならない、と予想している。
という予想はまあ当たっているのではないかと思う
ただし、
ヒットランク1、2位独占 「アニメ曲」席巻の裏事情 : J-CASTニュース
「アニメソングの人気は揺るぎないものがあるが、Jポップが復活し以前のようにCDが売れるようになれば、固定のファンから支えられているアニメソングが、ランキングトップを席巻するような事態はなくなると思います」
これはどうかなと。というのもアルバムはともかくシングルは着うたやiTunesのような有料音楽配信の割合がかなり大きくなってきている。そのあたりを日本のレコード産業2009年度版(pdf)から2008年の有料音楽配信の売上とシングルCDの生産金額を見てみると
有料音楽配信(シングル関連に当たりそうな)の売上
形態 | 数量 | 売上 | |
---|---|---|---|
インターネットダウンロード | シングルトラック | 3810万5千回 | 58億72百万円 |
モバイル | Ringtunes(着うた) | 1億8249万8千回 | 202億49百万円 |
シングルトラック | 1億4226万9千回 | 476億29百万円 |
シングルCDの生産金額
種類 | 数量 | 金額 | |
---|---|---|---|
シングル | 8cmCD | 23万9千枚 | 1億7百万円 |
12cmCD | 5348万8千枚 | 398億37百万円 |
有料音楽配信のRingtunes(着うた)やシングルトラックで売れたタイトルが現在発売されているシングルCDのタイトルと全て被るわけではないですが売上規模としてはかなり大きくなっており、シングルCDを買わずにこれらの有料音楽配信のほうでシングルを買うという人たち、特に音楽ファンのライト層には少なくないと思う
ですから今ままでのようなシングルCDのランキングだとJ-POPがまたランキングを独占するようになるのは難しく、有料音楽配信などを加味しないと今後もアニメ関連のCDがランキングを席巻する状況はおそらく続くことになるんじゃないかなあと