2009年度第1四半期決算から見る在京民放キー局の番組制作費

在京民放キー局の2009年度第1四半期の決算が出揃ったようなので2008年度の決算資料から見る在京民放キー局の番組制作費に続き、各局の番組制作費を見てみました

※各数字は以下のサイトにある第1四半期決算の資料から抜粋
日本テレビ
http://www.ntv.co.jp/ir/library/presentation/booklet/index.html
TBS
http://www.tbsholdings.co.jp/ir/library/setsumeikai.html
フジテレビ
http://www.fujimediahd.co.jp/ir/presentation.html
テレビ朝日
http://company.tv-asahi.co.jp/contents/ir_setex/index.html
テレビ東京
http://www.tv-tokyo.co.jp/contents/ir/jpn/report/index.html

在京民放キー局の第1四半期決算

まずは在京民放キー局の第1四半期決算決算を見てみます
※( )内の数字は前年同期比、また( )内の数字が無いものは比較出来ないため

連結
日本テレビ TBS フジテレビ テレビ朝日 テレビ東京
売上高 690億86百万円(−13.9%) 871億90百万円(+10.9%) 1307億74百万円(−7.8%) 578億56百万円(−10.0%) 268億30百万円(−9.9%)
営業利益 47億19百万円(+64.2%) 25億62百万円(−44.7%) 30億78百万円(−67.7%) 24億15百万円(−39.4%) 13億07百万円(+208.3%)
経常利益 60億76百万円(+51.7%) 33億37百万円(−47.2%) 46億28百万円(−61.2%) 31億53百万円(−34.7%) 13億98百万円(+214.7%)
四半期純利益 38億75百万円(+157.4%) 18億30百万円(−50.1%) 23億84百万円(−65.9%) 13億09百万円(−57.7%) 10億65百万円(+506.6%)
単体(個別)

※TBSは決算資料に単体(個別)の前年同期比の数字が記載されていないため省略してあります

日本テレビ TBS フジテレビ テレビ朝日 テレビ東京
売上高 617億47百万円(−11.0%) 549億98百万円(−) 809億94百万円(−9.0%) 518億58百万円(−8.2%) 236億19百万円(−12.0%)
営業利益 54億25百万円(+187.5%) 29億23百万円(−) 36億36百万円(−56.9%) 14億77百万円(−42.8%) 8億12百万円(−)
経常利益 65億88百万円(+115.2%) 28億94百万円(−) 37億51百万円(−66.0%) 28億10百万円(−27.3%) 16億29百万円(+574.2%)
四半期純利益 40億83百万円(+214.2%) 16億25百万円(−) 20億69百万円(−70.6%) 19億46百万円(−31.4%) 16億26百万円(+376.2%)

次にそれぞれの局の番組制作費を見てみます

第1四半期の番組制作費

2009年度第1四半期の番組制作費 2008年度第1四半期の番組制作費 前年同期比 伸び率
日本テレビ 232億58百万円 306億41百万円 −73億81百万円 −24.1%
TBS 259億95百万円 299億46百万円 −39億48百万円 −13.2%
フジテレビ 270億円 263億円 +7億円 +2.6%
テレビ朝日 196億21百万円 213億64百万円 −17億43百万円 −8.2%
テレビ東京 81億11百万円 102億88百万円 −21億77百万円 −21.2%


第1四半期の番組制作費はフジテレビ以外は全てマイナスで、特に日本テレビテレビ東京にいたっては前年同期に比べ20%以上も削減しています。そういうコストカットの成果もあってかこの2局は第1四半期決算での利益が前年同期に比べ大幅伸びています*1
ただ売上高を見るとTBS以外の局は10%前後のマイナス*2で、特定サービス産業動態統計調査|経済産業省の広告業の項目を見てもテレビの広告売上高の減少に歯止めがかからない状況でもあり、いつまでも番組制作費の削減のようなコストカットだけでは限界があるでしょうし、なにより番組の「質」への影響が懸念されます。おそらく今後はコストカットだけではなくいかに売上を増やすかが各局の課題になりそうですが、この景気やテレビの広告効果への疑問も出てきてる状況下で売上を増やせるかというとかなり厳しいとは思いますが、さてどうなるでしょうか

*1:前年同期の決算が良くなかったことも一因ですが

*2:ただしTBSの売上増に関してはスタイリングライフグループ(第1四半期の売上高が169億81百万円)が連結対象になったことが大きく、この事が無ければTBSも前年同期に比べ売上は減少していた