マジコンの海外通販はどうなるだろう

DSの「真・女神転生 STRANGE JOURNEY」をプレイ中ですっかりブログを放置中ですが、そのDS関連のニュースでこんなのがありました
マジコンに法的措置を――任天堂ほか54社が東京地方裁判所に提訴 - ITmedia Gamez
このニュースが発表されてから、早速閉鎖する店舗が出てきたようで
任天堂「マジコン潰す」 → 秋葉原でもマジコンショップが「大人の事情」で閉店 - アキバBlog
任天堂の神対応か!? 早速マジコンショップがひとつ潰れる : はちま起稿
他にも国内でマジコンを扱っているかなりの業者が通販サイトの閉鎖などの国内でのマジコンの販売の撤退を決定してきているようで、路上販売のようなゲリラ的なものを除けば国内でのマジコンのは販売はだんだん無くなっていくのではないかと思います
では国内の流通が無くなることでマジコンを入手する手段が無くなるか?というとそういう訳でもなくて、まだ海外通販で買うという手段が残っていたりします

マジコンの海外通販と税関

そのマジコンの海外通販についていですが、マジコンを取り扱いかつ日本にも発送するの海外通販サイトはいくつかあるようです。ただ国内の通販サイトに比べ

・購入してから配送されるまで非常に時間がかかる
・トラブルがあった時の問い合わせなどを基本的に通販サイトがある国の言葉(主に英語)でやり取りをしないといけない
・決済の問題(着払いが使えなかったり、クレジットカード必須だったりなど)
・ニセモノを掴まされる可能性が高い

などいろいろめんどくさい事が多いようです。それでもマジコンの値段が国内の通販に比べ安かったりするので、今までもそれなりに利用者はいたようです。そして今後マジコンの国内での流通が無くなっていくならこういう海外通販を利用する人が増えてくるんじゃないかと思います


でちょっと気になったのがマジコンを海外通販で購入した場合、当然税関を通るわけですが、その税関の扱いはどうなるのだろうなあと。そこで税関 Japan Customsの「輸出入禁止・規制品目」の項目を見るとこう書いてあります
輸出入禁止・規制品目 : 税関 Japan Customs

3.輸入が禁止されているもの

 以下のものについては、関税法でその輸入が禁止されています(関税法第69条の11)。これらの禁止されているものを輸入した場合には、関税法等で処罰されることとなります(関税法の罰条)。
 また、植物防疫法や家畜伝染病予防法においても輸入が禁止されているものがありますので、ご注意ください。

1. 麻薬、向精神薬大麻、あへん、けしがら、覚せい剤及びあへん吸煙具
2. けん銃、小銃、機関銃、砲、これらの銃砲弾及びけん銃部品
3. 爆発物
4. 火薬類
5. 化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律第2条第3項に規定する特定物質
6. 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第6条第20項に規定する一種病原体等及び同条第21項に規定する二種病原体等
7. 貨幣、紙幣、銀行券、印紙、郵便切手又は有価証券の偽造品、変造品、模造品及び偽造カード(生カードを含む)
8. 公安又は風俗を害すべき書籍、図画、彫刻物その他の物品
9. 児童ポルノ
10. 特許権実用新案権意匠権、商標権、著作権著作隣接権、回路配置利用権又は育成者権を侵害する物品
11. 不正競争防止法第2条第1項第1号から第3号までに掲げる行為を組成する物品


またマジコン訴訟は不正競争防止法により提訴されましたが、主に問題となった条文(第2条第1項第10号)には以下のように書かれています
不正競争防止法

十  営業上用いられている技術的制限手段(他人が特定の者以外の者に影像若しくは音の視聴若しくはプログラムの実行又は影像、音若しくはプログラムの記録をさせないために用いているものを除く。)により制限されている影像若しくは音の視聴若しくはプログラムの実行又は影像、音若しくはプログラムの記録を当該技術的制限手段の効果を妨げることにより可能とする機能のみを有する装置(当該装置を組み込んだ機器を含む。)若しくは当該機能のみを有するプログラム(当該プログラムが他のプログラムと組み合わされたものを含む。)を記録した記録媒体若しくは記憶した機器を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、若しくは輸入し、又は当該機能のみを有するプログラムを電気通信回線を通じて提供する行為


さらにこの裁判での判決文でもこう書かれています
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20090306192548.pdf

1 被告らは、別紙物件目録記載の製品*1を譲渡し、引渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、又は輸入してはならない

おそらく業者が国内で売買するためにマジコンを輸入してはいけないという事なんだと思いますが、逆に言えば個人で使うために輸入するなら特に問題ないという事なのかな?実際2chの裏技・改造板のスレを見ていると、このマジコン訴訟の判決以降でも海外通販で購入したマジコンを税関で止められたといった話を特に見かけないので、現状は海外通販でマジコンを購入しても税関としてはスルーなのかと思います

任天堂側の対応は?

さてこのマジコンの海外通販に対して任天堂はどうするのか?まず考えられそうなのが、ソニーのMODチップ訴訟のように海外でもマジコンを販売、製造している業者に提訴すること。そしてもうひとつ考えられそうなのが、まだ国内でマジコンを販売している業者に対してDSi対応のマジコンを対象に提訴する事かなと
というのもDSi対応のマジコンはDSiのマジコン対策を回避するために実ROMのヘッダ部分をどうもそのまま使ってるらしく、もしそうなら不正競争防止法だけでなく著作権法のほうでも提訴できる可能性が高い。そして裁判を起こし著作権法違反で任天堂側が勝訴できれば、上記の税関の輸出入禁止・規制品目にありますが

10. 特許権実用新案権意匠権、商標権、著作権著作隣接権、回路配置利用権又は育成者権を侵害する物品

著作権侵害の物品は明確に輸入禁止・規制品目になっているため、結果的に海外通販から国内へのマジコンの流入をストップできるからです


まあこれらの話はあくまで素人考えではありますが、国内のマジコン販売については今回の提訴で抑制の目処が立つかと思うので、近いうちに海外の販売のほうにも何かしらの対応をしていくのではないかと思っています

*1:この裁判で対象となったマジコン「R4 Revolution for DS」の事