太陽誘電の光ディスク(記憶製品)の売上推移

太陽誘電、光ディスク事業から撤退 - Phile-web
世界で初めてCD-Rを開発し、その後も国産で高品質なCD-R、DVD-Rで知られた太陽誘電。その太陽誘電が光ディスク事業から撤退するというニュースで、私も愛用しているため正直ショックなのですが、太陽誘電が光ディスク事業から撤退を決めた理由は、

同社では1988年のCD-R開発以来、CD-R/DVD-R/BD-R等の光記録メディアを事業のひとつとして推進してきた。今回の事業撤退については「HDDの大容量化やクラウドコンピューティングの普及に伴い、光記録メディア製品市場が縮小を続けていること」などを背景として、「想定を超える市場の縮小、原材料価格の高騰等の影響により、さらなる収益改善は困難な状況であると判断した」と説明している。

とのことです。それで、「想定を超える市場の縮小」とありますが、実際のところ太陽誘電の光ディスク(記憶製品)の売上はどう推移していたのかなと思い、決算資料等から調べてみました。

2004年度から2014年度までの太陽誘電の光ディスク(記憶製品)の売上推移

※2004年度〜2008年度の売上高はアニュアルレポート | 太陽誘電株式会社アニュアルレポート 2008(PDF)より参照。
※2009年度〜2014年度の売上高は決算説明会資料 | 太陽誘電株式会社にある以下の資料より参照。

2010年3月期 決算プレゼンテーション資料(PDF)2011年3月期 決算プレゼンテーション資料(PDF)2012年3月期 決算プレゼンテーション資料(PDF)2013年3月期 決算プレゼンテーション資料(PDF)2014年3月期 決算プレゼンテーション資料(PDF)2015年3月期 決算プレゼンテーション資料(PDF)

年度 記憶製品売上高
2004年度 312億5100万円
2005年度 310億3000万円
2006年度 305億3300万円
2007年度 330億1200万円
2008年度 311億6800万円
2009年度 268億2300万円
2010年度 204億7900万円
2011年度 161億5200万円
2012年度 154億2100万円
2013年度 142億3200万円
2014年度 128億5900万円


2009年度あたりから売上高の減少が著しくなり、2014年度の売上高は128億5900万円と2007年度330億1200万円の約40%弱ほどの売上高になってしまっています。上述の記事にあるようにHDDの大容量化やクラウドの普及もそうですが、太陽誘電はBD-Rメディアへ参入が2008年からと比較的遅かった*1ことも原因の一つじゃないかなと思います。
ともあれ、これだけ売上減少傾向だと撤退もやむを得ないかなと。そして、太陽誘電が撤退する事で、おそらく国産のCD-R、DVD-Rはいずれ消滅する事になるでしょうから、一つの時代の終わりを感じてしまいます。