マンガ図書館Z(旧Jコミ)からサイバーロッカーに漫画が流れている?

赤松健さんが語る「マンガ図書館Z」の狙い 「あらゆる作家が潤い、海賊版が絶滅する世界を」 (1/2) - ITmedia ニュース
この件について赤松健氏のツイートをまとめたブログのコメント欄で気になるコメントを見かけました。


くまニュース : 赤松健先生が漫画の海賊版を絶滅させるために物凄いことを始める

3. 名無しさん 2015年09月27日 13:32
逆の事が起きてるのは把握してないのか?
Jコミや漫画図書館Zで公開されてから海賊版が流れるようになった作品もあるんだけど。

ネットにつなげない時でもスマートパッドで見れる」にまで対応できないと撲滅は無理だと思う。


それで、実際にマンガ図書館Zで公開されている作品が海賊版サイトに流れているかどうかを、

1・マンガ図書館Zで公開されている漫画が海賊版サイトにアップロードされているかどうか。
2・マンガ図書館Zでの配信開始日と海賊版サイトへアップロードされた日。及びサンプル画像から画質の比較。

等で確認してみたところ、マンガ図書館Zから流れてきたであろうと思われる、サイバーロッカーにアップロードされたファイルをいくつか見つけました。

マンガ図書館Zに公開されている作品がサイバーロッカーにアップロードされる原因は?

さて、何故こんな事が起きているのか?考えられそうな事として、サイバーロッカーに漫画をアップロードしている人は、ほぼサイバーロッカーによるアフィリエイト収入*1目当てです。そのため、アップロードするファイルの種類と量が増えるほど収入増につながりやすい。サイバーロッカーにアップロードされる漫画は連載中の新刊・既刊本が多く、連載が終了して絶版になっているような漫画はそれほど多くなかったようなので、アップロードするための加工の手間はあると思いますが、無料で利用できることもありアップロードする漫画の種類と量を増やすのにマンガ図書館Zはちょうどよい存在になってしまっていると思われます。
また、ダウンロードする側からすると、マンガ図書館Zは閲覧だけなら無料ですが、ダウンロードして漫画をローカルに保存したい場合は現時点では一冊(PDF)300円の料金がかかります。対してサイバーロッカーならダウンロードしてローカルに保存するなら無料(ダウンロードの速度や量に制限有)、もしくは基本的に各種制限が無いプレミアム会員でも1ヶ月1500円前後くらいで出来てしまうので、ダウンロードしてローカルに保存したい人にとっては違法性を考えなければサイバーロッカーを利用した方が安く済むという面もありそうです。


海賊版の絶滅を目標にしているマンガ図書館Zですが、現状は逆効果になっている側面があるというのは見逃せない話でしょう。海賊版でも絶版作品なら作者本人がダウンロードしてマンガ図書館Zにアップロード出来る仕組み*2を作ったのはその対策かもしれません。ただ、最初の※3の人がちょっと触れているように、非常に難しい話だと思いますが海賊版の絶滅を目標とするなら、ダウンロードの利便性、経済性もサイバーロッカーを上回らないと厳しいのではないかと個人的には考えています。

*1:プレミアム会員制があるサイバーロッカーのほとんどは、ダウンロード量に応じてアフィリエイト収入が得られるシステムがある。

*2:赤松健(@KenAkamatsu)/2015年09月25日 - Twilog