公衆電話の使い方を知っておくことの重要性について

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携帯電話の普及により影が薄くなっていた「公衆電話」ですが、この事件で再度注目を集めているようです。そして、今だと公衆電話の使い方を知らない人がかなりいて、使い方を教えるべきでは?という意見も出てきています。
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私も公衆電話の使い方は教えるor覚える方がよいと思っています。というのも上述のtogetterのコメントにもちょっと書きましたが、今後標準となる公衆電話は過去の公衆電話と決定的に違っている点があるからです。

これまでの公衆電話と今後標準となる公衆電話の違い

日本の公衆電話で最もよく見かけるのは以下の2機種かと思われます。

アナログ公衆電話「MC-3P系」(画像はMC-3PNC)


※画像はFile:MC-3PNC.JPG - Wikimedia Commonsより引用。
※見た目はMC-3P系とほぼ同じですが、胴体部分(料金収納箱部分)が長くなっている「MC-4P系」も数が多いです。

デジタル公衆電話「DMC-8A」

最も新しい公衆電話で今後の公衆電話の標準系となるモデルです。

※画像はファイル:公衆電話DMC-8A-01.jpg - Wikipediaより引用。


他にもデータ通信が行えるグレーの公衆電話やテレホンカード専用の公衆電話もありますが、グレーの公衆電話を中心に「DMC-8A」への切り替えが進んでいるようです。
さて、先に述べたようにこの2機種を見比べると決定的に違う点があります。それは今後の標準となるDMC-8A」には本体に電話の使い方の記載が無いという点です。まあ、「DMC-8A」も受話器を上げれば硬貨かテレホンカードを入れるようディスプレイに絵は出ます(ただその絵も若干わかりにくいですが)。しかし、「最初に受話器を上げる」という事は事前に知っておく必要があり、それを知らないと本当に公衆電話を使う事が出来ないという事態になりかねません。なので、公衆電話の使い方を教えるor覚えておくのはこれまで以上に大切になると思います。
それにしても、過去に存在していた公衆電話である青電話や黄電話*1にも本体に使い方が記載されているのに、何故「DMC-8A」では本体に使い方の記載を無くしてしまったのでしょうか。

特殊簡易公衆電話と公衆電話の台数

それと、上記NTT東日本、西日本管轄の公衆電話の話ですが、他にも飲食店や病院、公共施設等の事業者が設置する「特殊簡易公衆電話*2という公衆電話サービスもあります。人によっては「ピンク電話*3」と言った方が通りがよいかもしれません。この特殊簡易公衆電話の多くは店舗や施設内に設置されていますが、公園などの屋外や道の駅のような場所に設置してあるケースもあります。使い方もNTTの公衆電話とほぼ同じですが本体に電話の使い方は記載されていません。そして、特殊簡易公衆電話の特徴としてNTTの公衆電話では絶滅した「ダイヤル式」が意外と残っています。通常のボタン式の公衆電話の使い方は知っていても、ダイヤル式の使い方は知らないという人もいるでしょうからダイヤル式の公衆電話の使い方も覚えておいて損は無いと思います。
また、Twitterはてなブックマークを見ていると公衆電話の台数がコンビニの店舗数より少ないと思っている人もいるようです。確かに公衆電話の台数は急速に減少しているのですが、NTT東日本、西日本管轄の公衆電話の台数は2015年3月末時点で18万3655台*4ほど存在しています。対してコンビニの店舗数はセブンイレブンファミリーマートなど大手9社の店舗数が54,147店舗(2016年2月時点)*5。公衆電話の台数はこれに加えて上述の特殊簡易公衆電話もありますからコンビニの店舗数より圧倒的に多く存在しています。


現状、NTTの公衆電話サービスはかなりの赤字状態*6です。しかし、法的な規制*7があるため赤字でも一定の設置台数は確保する必要があります。NTT東日本が公衆電話ボックスをWi-Fi設備設置場所として有料で貸し出すサービスを始めましたが*8、公衆電話のサービスを維持し、かつ公衆電話の数を有効活用するためにもこういう取り組みが一層必要になるかと思います。