家計調査から見る書籍への支出額の推移
以前に日本はどのくらい書籍にお金と時間をかけているのかを調べてみましたという記事を書いた事があるのですが、このニュースを見てその後日本における書籍の支出がどうなっているか気になったので、あらためて統計局の家計調査から推移をまとめてみました。
書籍・印刷物への年間平均支出の推移(全世帯)
※各数字は統計局ホームページ/家計調査(家計収支編) 調査結果の他の年月の統計表一覧 政府統計の総合窓口 GL08020102より引用。
※対象は全世帯で、支出額は一世帯あたりの年間平均支出になります。
※各項目に含まれる内容は以下のようになります。
統計局ホームページ/家計調査 収支項目分類及びその内容例示の支払 消費支出(交通・通信,教育,教養娯楽,その他の消費支出)(xls)より引用。
・新聞 : 日刊新聞に限る。一部買いも含む。英字新聞、スポーツ新聞を含む。工業新聞などは含まれない。
・雑誌・週刊誌 : 週刊誌,月刊誌,季刊誌などの定期刊行物。別冊,古本も含む。
・書籍 : 雑誌・週刊誌以外の各種辞典類、単行本、文庫本、全集、絵本、年鑑、画集、図鑑、写真集、漫画本、幼稚園の本代。古本も含む。
・他の印刷物 : 新聞、雑誌・週刊誌、書籍以外の印刷物。プログラム、カレンダー、学生新聞、宗教新聞、点字新聞、競馬新聞等を含む。
※電子書籍、電子新聞等は含まれていません(紙の印刷物のみ対象)。
新聞 | 雑誌・週刊誌 | 書籍 | 他の印刷物 | |
---|---|---|---|---|
2002年 | 34,766円 | 6,040円 | 11,054円 | 1,754円 |
2003年 | 34,522円 | 5,368円 | 10,182円 | 1,633円 |
2004年 | 34,229円 | 5,412円 | 11,225円 | 1,724円 |
2005年 | 33,653円 | 5,474円 | 10,951円 | 1,735円 |
2006年 | 32,521円 | 4,885円 | 9,842円 | 1,491円 |
2007年 | 32,257円 | 4,904円 | 10,139円 | 1,546円 |
2008年 | 31,897円 | 4,933円 | 10,505円 | 1,604円 |
2009年 | 31,137円 | 4,879円 | 9,699円 | 1,577円 |
2010年 | 30,526円 | 4,692円 | 9,625円 | 1,371円 |
2011年 | 30,212円 | 4,442円 | 9,282円 | 1,474円 |
2012年 | 29,646円 | 4,049円 | 9,295円 | 1,349円 |
2013年 | 29,285円 | 4,051円 | 8,658円 | 1,371円 |
2014年 | 29,019円 | 3,880円 | 8,421円 | 1,326円 |
2015年 | 28,162円 | 3,362円 | 8,044円 | 1,228円 |
2016年 | 27,617円 | 3,507円 | 7,841円 | 1,316円 |
書籍・印刷物への年間平均支出合計の推移
書籍・印刷物合計 | |
---|---|
2002年 | 53,615円 |
2003年 | 51,705円 |
2004年 | 52,591円 |
2005年 | 51,813円 |
2006年 | 48,740円 |
2007年 | 48,846円 |
2008年 | 48,939円 |
2009年 | 47,292円 |
2010年 | 46,214円 |
2011年 | 45,411円 |
2012年 | 44,339円 |
2013年 | 43,364円 |
2014年 | 42,646円 |
2015年 | 40,795円 |
2016年 | 40,281円 |
紙の書籍・印刷物への支出はどの分類も減少傾向にありますが、漫画や小説等が含まれる「書籍」への支出はここ5年くらいで減少傾向が大きくなってきています。
Twitterでこんなツイートを見かけましたが、
RT)10年前初版3〜5万部だったクラスの中堅作品が軒並み1/2〜1/3になって来てます。売れる作品と売れない作品の二極化が進んでいるので気になる作品や作家さんの新刊は事前予約や当日購入を!初週の週末の初動が生命線なので…
— 阿倍野ちゃこ (@abenochaco) 2017年12月3日
RT<正直な話、読者が実数知ったらビックリするくらい初版部数減ってます。
— 天王寺キツネ ワルキューレのキコ①発売中 (@kitsunetennouji) 2017年12月3日
出版社は「売れたら増刷しますから」って言うけど、本屋に並ばないのよ、その数じゃ!!
実際に影響も出ているようです。要因としてはスマホやタブレット端末の普及に伴う、電子書籍への本格的な移行が進んだ事が大きいと思われます。
2016年度の電子書籍市場規模は前年比24.7%増の1,976億円 電子出版市場は5年後に3,500億円市場へと成長 『電子書籍ビジネス調査報告書2017』 7月31日発行 - 株式会社インプレス
vdata.nikkei.com
そして、今後もこの傾向がしばらく続くでしょうから、紙の書籍が復権する可能性は低いのではないでしょうか。