TwitterでDMCAの虚偽報告が発生してしまう理由の考察

艦これTwitterアカウント凍結 DMCA虚偽通告
「艦これ」の公式アカウントがDMCAデジタルミレニアム著作権法の虚偽報告によりアカウントが一時凍結され、その後もJSF氏やスルメロック氏といったアカウントもDMCAによる虚偽報告で凍結される、という事が起きています。


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お知らせ by スルメロック on pixiv


それで、何故こんな事が起きてしまっているのか?ひとつはDMCAの仕組み自体の問題点があります。
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そして、もうひとつがTwitterのTorに対する仕様だと思います。

Torで簡単にDMCA報告が出来る理由

上述のDMCAの虚偽報告は高い匿名性を確保できるTorによって行われたのでは?と一部で推測されています。本当にTorが使われたかどうかはわかりませんが、私もその可能性は高いと思っています。
というのも、TwitterはTorで簡単にDMCAを報告できる仕様になっているからです。


まず、前提としてTwitterでTorは使用できるかどうかですが、現時点では使用可能です。
ただし、Torでツイートをするなら原則としてアカウントを作成するための必要事項を入力後、以下の画面にあるように携帯電話の電話番号を入力してSMS認証を通す必要があります。



このSMS認証も以前は海外のサイトにあるフリーのSMS番号を使って認証を通す事も出来たのですが、今は対策が進んでいてフリーのSMS番号で認証を通すのは難しくなっています。


それで、ここからが問題なのですが、TorでツイートをするにはSMS認証を通す必要があります。しかし、DMCAの報告はアカウント作成のための必要事項を入力完了した時点で出来てしまうのです。
そのため、捨てアカウントを作ってDMCAを報告しまくるという事も現時点では可能。しかも、Torの匿名性のため虚偽報告をしてもリスクは低い*1。という悪用して下さいと言わんばかりの仕様になっていて、今まであまり問題になっていなかったのが不思議なくらいです。

虚偽報告を防ぐ対策

とりあえずTwitter側が出来る虚偽報告の対策としては、SMS認証を通していないアカウントからのDMCA報告は受け付けない。これだけでもかなり虚偽報告を減らせると思います。
とにかく、現状のTwitterDMCA報告はあまりにも簡単に悪用が出来てしまう状況なので、早急に対策が必要でしょう。

*1:ただし、DMCAの報告はJavascriptが必須なため、通常仕様のTorよりかはリスクは高いです。