2chダウンロード板の状況を調べてみた
ファイル共有ソフトの「現在利用者」、1割超える──ACCSなど調査 - ITmedia News
コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)などが実施したファイル共有ソフト利用実態調査によると、調査した9月時点で、ファイル共有ソフトを過去1年間に使ったことがある「現在利用者」の割合が10.3%となり、6年前の調査開始以来初めて1割を超えた。
9月18〜26日に実施したWebアンケート(2万189サンプル)と、Winny、Share、Gnutellaの各ネットワークを9月19日午後5時から24時間クロールした結果をまとめた。
過去1年間に利用した経験のある現在利用者は、前年の9.6%から0.7ポイント増え、1割を超えた。調査開始時の02年から06年までは2〜3%台で推移してきたが、増加傾向にある。
というニュースがあったので、ではwinnyやshareの総本山ともいうべき2chダウンロード板(正式名称はダウンロードソフト板。通称ダウソ)の状況はどうなっているのか?気になったので調べてみました
2006年4月3日から2008年12月13日までのダウンロード板のID数、投稿数
※数字は必死チェッカーもどきのhttp://hissi.org/read.php/download/より参照
年度別ID数、投稿数の1日あたりの平均
ID数平均 | 投稿数平均 | |
---|---|---|
2006 | 4362 | 11766 |
2007 | 4441 | 13672 |
2008 | 4186 | 13794 |
※2006年は4/3から、2008年は12/13までの数字
※2007年は7/6と8/8。2008年は2/15〜2/19、4/21の数字が必死チェッカーもどきのほうで取得ができていないため除外
投稿数はそれなり変動あるのだがID数(投稿者数)にほとんど変化が無い。また平均値で見ると2008年は投稿数は微増しているもののID数が微減するなど停滞感が漂っている感じがする
ダウンロード板のアクセス動向
本当はダウンロード板のPVを調べたかったのですが2ちゃんねる ページビュー観測所で見ることが出来るのはサーバー単位までなので代わりに「ちゃっかりカウンター」の動向を見てみることにします
ちゃっかりカウンターについて
まずちゃっかりカウンターとは
投稿数とスレ立て数・ちゃっかりカウンターの関係
■ちゃっかりカウンター
各板(など)のindex.htmlがIEやFireFox等の汎用ブラウザor壷[2]から読み込まれた回数です。
携帯からの読み書き数は考慮されていません。
いわゆる2chブラウザのアクセスはカウントされないので正確なPVの動向がわかるわけではないんだけどこの性質上こんな傾向を読み取れる
これが増える要因としては、
[A-1] 汎用ブラウザを使っている人が板に来る、外部からの流入が増える
[A-2] 専用ブラウザを使っていた人が汎用ブラウザor壷に変える
これが減る要因としては
[B-1] (汎用ブラウザを使っている人が)板に来なくなる
[B-2] 汎用ブラウザor壷を使っている人が専用ブラウザに乗り換える
という要因が考えられます。まぁ、専用ブラウザ〜壷 間の乗り換えは
考えにくいので、簡単のために無視してよいでしょう。また、主観で申し訳ないのですが、[A-2]の『専用ブラウザから汎用ブラウザへの乗換え』も、
専用ブラウザを使っている人だったら分かると思うのですが、あまりないと思うので、、
実際のところ、以下の公式が導けます。
そういうわけである程度ではあるがwinnyやshare等の情報を検索してダウンロード板に来るような層の動向も読み取れるかと
さてそのダウンロード板におけるちゃっかりカウンターの動向をmaido3.comのちゃっかりカウンターの値をランキングにしてみました。より見てみると
最近は緩やかになってきてるとは減少の傾向が著しい。2chブラウザに乗り換えた人が多かっただけかもしれませんが他の板のちゃっかりカウンターのグラフを見てもここまで極端に減少傾向の板はちょっと珍しい。やはりダウンロード板への流入人口が減少してるのも一因ではないかと思う
ダウンロード板の現状の原因
ダウンロード板のこの状況を見ているとファイル共有ソフトの現在利用者が1割を超えたということがちょっと信じられない感じすらしてくる。そこで上記ニュースの元であるhttp://www2.accsjp.or.jp/index.htmlが公表したデータを見てみたのだがするとその理由の一端が見えてくる
ファイル共有ソフトの「現在利用者」、初めて1割を超える〜利用実態のアンケート調査、クローリング調査の結果まとまる〜(2008/12/12)〜
この調査は去年もやっているのだが明らかに去年と今年では違う点がある。それは「winnyのノード数*1 」
2007年のwinny及びshareノード数は
ァイル交換ソフトの「現在利用」は9.6%、被害は一層深刻に〜利用実態のアンケート調査、クローリング調査の結果まとまる〜(2007/12/21)〜
「Winny2」
「ノード」は、約26万4千件。
「Share EX2」
「ノード」は、約20万件。
に対して今年は
ファイル共有ソフトの「現在利用者」、初めて1割を超える〜利用実態のアンケート調査、クローリング調査の結果まとまる〜(2008/12/12)〜
「Winny2」
「ノード」※3は、約18万台を収集。全数としては約19万台と推定。
「Share EX2」
「ノード」は、約20万台を収集。全数としては約21〜22万台と推定。
※共にクローリングの調査時間は24時間
shareはほぼ変化無しだがwinnyのほうが激減してる。ダウンロード板はP2P関連のソフト全般を扱ってはいるのだが内容(特にファイル関連の情報)はshareとwinnyにかなり偏っている。そのためこのwinnyのノード数減少、まあ利用者の減少と言ってもいいと思うのだがこの影響がダウンロード板のID数やちゃっかりカウンターの数字表れているのではないかと
あとこのACCSの調査結果は他にもいろいろ興味深い内容があるためまた別に取り上げてみようと思っています
*1:「ノード」とは、ネットワークに接続しているPC等の端末を指す。