2008年のアニメDVDの売上が大幅減だったことについて

アニメDVD 2008年は厳しい 売上二桁減に 日本映像ソフト協会発表

日本映像ソフト協会(JVA)は3月10日に、2008年に発売されたビデオソフト(DVD、Blu-Ray Disc、ビデオ、UMDなどの映像パッケージ)販売金額を発表した。発表によれば、2008年のビデオソフトの総売上高は、2860億円9800万円で、前年比で11.1%減少と2桁のマイナスとなった。

こうしたなかアニメDVDも苦戦を免れることが出来なかった。アニメファンが買う国内の商業アニメを主体とする日本アニメ(一般向け)のDVDは、販売用で18.8%減の473億4600万円、レンタル用は16.5%減と大きな落ち込みをみせた。

■ビデオソフト総売上高 2860億9800万円 (前年比11.1%減)

   □ DVD売上高 96.4% (2758億円) (同13.1%減)
      販売用 1753億5600万円 (同16.1%減)
       日本アニメ(一般向け) 473億4600万円(同18.8%減) 
      レンタル用989億3400万円(同 7.2%減)
       日本アニメ(一般向け) (同 16.5%減)
 
   □ ブルーレイ売上高 98億6000万円
     販売用91億円
      日本アニメ(一般向け 43億7000万円
     レンタル用 7億6000万円  
      日本アニメ(一般向け 8700万円
     日本アニメ(一般向け)のブルーレイ全体の売上高 44億5700万円


上半期でもすでに日本アニメ一般向けの売上は販売用で246億06百万円(前年同期比86.5%)、レンタル店用で96億25百万円(前年同期比92%)*1という状況であり、「マクロスF」「コードギアスR2」「ガンダムOO」といったヒット作があるバンダイナムコホールディングですら第3四半期の映像コンテンツ事業の売上高が237億50百万円(前年同期比10.8%減)*2だったので年間でも2桁以上のマイナスだろうと思ってはいましたが、それでも前年比18.8%減というのは減少幅としてはやはり大きい

売上減の理由は?

まず理由のひとつとして2008年はアニメDVDの発売タイトル数自体が2007年に比べ少なかったことが上げられるかと
アニメDVDのタイトル数の推移 - longlowの日記

年度 タイトル数
2006 2876
2007 2919
2008 2605

価格.comのデータではあるのですが2008年は2007年より約10%ほどタイトル数が少ない


またバンダイナムコホールディングスは第3四半期の決算短信で売上減の理由をこう述べています

1・サブプライム問題による景気の悪化
2・DVDからBlue-rayへのハードウェア移行の端境期
3・海外市場の苦戦

これら理由は他の会社にも当てはまりそうですが、ただこれだけではないとも思う


以降は私の考えですがアニメの接触時間が少なくなってきていることも一因じゃないかと。現在アニメの放送本数は減少傾向ではあるのですがそれでも年間で150本以上放送されているようです。そしてかなりのアニメが地上波では大都市圏(南関東、関西、中京)でしか放送されていないのが現状です(http://www.d-paranoia.com/anime/rank.html参照)。さらに2008年は動画共有サイトやファイル共有等により一層厳しい対応を取るようになった


もちろん商圏人口や放送コストなどの効率から考えれば大都市圏のみで放送したほうがいいでしょうし、動画共有サイトやファイル共有への対応も当然ではあると思います。ただその分アニメに接する機会や時間が減少した人もいたのではないかと


効率を考える、権利を守るという大切さもわかるのですが、まず「知ってもらう」「見てもらう」ということをもっと考えたほうがいいのでは?と最近思うのです