放送番組ソフトとしてのアニメの輸出状況
総務省が公表している情報通信白書平成21年版にコンテンツ市場動向(pdf)という項目があります。その中に「放送番組ソフトの国際輸出状況」という題名で放送番組の金額ベースでの輸出状況の資料があります。そこでその資料からアニメの放送番組ソフトとしての輸出状況を見てみようと思います
放送番組の輸出状況
まずは日本の放送番組の輸出金額が以下の数字
2005年のデータと比較
ちなみに同じような調査を総務省 情報通信政策研究所(IICP)がしていて、2007年に調査報告書を公表しておりその結果はこうなっています(データは2005年のもの)
数字で見る メディア・ソフトの制作及び流通の実態(pdf)より
輸出金額については全体で83億円〜88億円と推計しています
それで上記の情報通信白書の資料と比べるとこうなります
2005年 | 2007年 | |
---|---|---|
放送番組ソフトの輸出金額 | 83億円〜88億円 | 91.8億円 |
アニメの放送番組ソフトとしての輸出金額 | 約26億円〜28億円 | 約58.6億円 |
アニメの輸出金額に占める割合 | 31.8% | 63.9% |
もっとも調査の方法が全く同じというわけでは無いと思うので単純な比較は出来ませんが、放送番組ソフトとしてのアニメの輸出が急拡大しているのは間違いないかと。ただ北米のように
FOXテレビ 土曜日朝のアニメーション放送枠1月から廃止
米国の5大ネットワークのひとつであるFOXテレビ(FOX Broadcasting Company)が、来年1月から土曜日午前中の子供向けの番組枠から撤退することが明らかになった。
米国の地上波ネットワークの子供向け番組(その大半がアニメーション)の縮小は、1990年代から長期にわたって続いている。この理由として、子供の関心がゲームや屋外での活動に向かっていることや、番組と玩具広告の連動に対する規制の強化、ケーブルテレビの子供番組チャンネルとの競合で視聴率が低下していることが挙げられている。
近年、米国では地上波テレビやアニメーション専門チャンネルでの日本アニメの放映が急減している。作品の露出の減少は、関連商品やDVD、マンガの売上げにも影響しているとされる。
地上波や大手のケーブルテレビのアニメ放映数が減少傾向にある厳しい状況の地域もあります。おそらく今後放送番組ソフトとしてのアニメのさらなる輸出拡大を図る場合は、放送番組の輸出先で大きな割合を占めているアジア地域がより重要になってくるのではないかと思います