2009年上半期のDVDビデオとブルーレイの売上

以前記事にした社団法人日本映像ソフト協会(JVA)2009年上半期統計調査(1月〜6月)のより詳しい資料が「日本映像ソフト協会会報 No.136」(pdf)で公表されたので、気になった点をいくつか見てみようと思います

ビデオソフトの売上金額

まずは全体の売上から

合計金額 回答者数 構成比 前期比 前年同期比
DVDビデオ 1189億42百万円 32社 93.1% 87.0% 85.6%
ブルーレイ 84億43百万円 30社 6.6% 111.3% 386.8%
ビデオカセット 96百万円 10社 0.1% 88.1% 64.4%
UMD 2億50百万円 6社 0.2% 229.4% 173.6%
合計 1277億31百万円 32社 100.0% 88.4% 90.3%

DVDビデオの売上(詳細)

次にビデオソフトの売上のほとんどを占めるDVDビデオの売上

DVDビデオの流通チャンネル別売上
金額 構成比 前期比 前年同期比
販売用(個人向) 739億03百万円 62.1% 86.5% 82.2%
レンタル店用(個人向) 449億29百万円 37.8% 89.3% 92.4%
その他・業務用 1億04百万円 0.1% 10.7% 22.6%
DVDビデオ「販売用」のジャンル別売上
ジャンル 合計金額 回答社数 構成比 前期比 前年同期比
邦画(TVドラマを除く) 60億95百万円 24社 8.3% 110.0% 73.0%
日本のTVドラマ 71億52百万円 21社 9.7% 111.9% 113.6%
洋画(TVドラマを除く) 54億74百万円 28社 7.4% 41.4% 47.3%
海外のTVドラマ 30億24百万円 17社 4.1% 65.2% 85.9%
アジアの映画 11億94百万円 13社 1.6% 246.7% 489.3%
アジアのTVドラマ 20億49百万円 13社 2.8% 57.9% 45.3%
日本のアニメーション(一般向け) 224億47百万円 26社 30.4% 98.9% 91.2%
海外のアニメーション(一般向け) 13億15百万円 9社 1.8% 88.2% 235.2%
日本の子供向け(アニメーション) 9億61百万円 12社 1.3% 51.7% 51.5%
日本の子供向け(アニメーション以外) 13億60百万円 8社 1.8% 82.6% 58.4%
海外の子供向け(アニメーション) 7億57百万円 5社 1.0% 73.5% 160.0%
海外の子供向け(アニメーション以外) 22百万円 3社 0.0% 61.1% 21.4%
音楽(邦楽) 147億27百万円 15社 19.9% 103.4% 91.5%
音楽(洋楽) 12億99百万円 15社 1.8% 101.6% 95.9%
ビデオカラオケ 15百万円 3社 0.0% 51.7% 125.0%
芸能・趣味・教養 45億89百万円 27社 6.2% 78.2% 66.7%
スポーツ 5億34百万円 13社 0.7% 102.5% 142.8%
学校教育・企業教育・語学教育 2億20百万円 7社 0.3% 178.9% 372.9%
成人娯楽 4百万円 1社 0.0% 66.7% 36.4%
その他 6億71百万円 8社 0.9% 86.1% 93.6%
合計 739億09百万円 32社 100.0% 86.5% 82.2%


DVDビデオ「レンタル店用」のジャンル別売上
ジャンル 合計金額 回答社数 構成比 前期比 前年同期比
邦画(TVドラマを除く) 65億79百万円 22社 14.7% 108.0% 104.2%
日本のTVドラマ 36億75百万円 18社 8.2% 90.3% 126.2%
洋画(TVドラマを除く) 104億51百万円 24社 23.3% 77.9% 78.2%
海外のTVドラマ 71億43百万円 15社 15.9% 80.5% 101.8%
アジアの映画 4億78百万円 10社 1.1% 119.5% 124.2%
アジアのTVドラマ 43億05百万円 9社 9.6% 87.9% 86.4%
日本のアニメーション(一般向け) 85億41百万円 24社 19.0% 103.1% 88.1%
海外のアニメーション(一般向け) 7億78百万円 7社 1.7% 97.6% 108.4%
日本の子供向け(アニメーション) 15億05百万円 11社 3.4% 75.9% 84.9%
日本の子供向け(アニメーション以外) 5億59百万円 6社 1.2% 110.5% 97.9%
海外の子供向け(アニメーション) 3億03百万円 3社 0.7% 105.9% 175.1%
海外の子供向け(アニメーション以外) 2百万円 1社 0.0% 33.3% 9.5%
音楽(邦楽) 14百万円 1社 0.0% 466.7% 1400.0%
音楽(洋楽) 22百万円 4社 0.1% 733.3% 550.0%
ビデオカラオケ 0 0社 0.0% ERR ERR
芸能・趣味・教養 4億36百万円 16社 1.0% 85.5% 79.9%
スポーツ 23百万円 5社 0.1% 2300.0% 287.5%
学校教育・企業教育・語学教育 28百万円 4社 0.1% 560.0% ERR
成人娯楽 0 0社 0.0% ERR 0.0%
その他 69百万円 3社 0.2% 45.1% 56.1%
合計 449億29百万円 32社 100.0% 89.3% 92.4%



DVDビデオの「販売用」の売上は日本のTVドラマを除けば、主要なジャンルはほぼ前年同期に比べてマイナスになっています。まあ全体が前年同期比82.2%なので当然ではありますが。それに比べるとレンタル店用は全体で前年同期比92.4%であり、海外のTVドラマや日本のTVドラマ、邦画など伸びているジャンルもいくつかあるなど、まだマシな状況といえるかもしれません


ブルーレイの売上(詳細)

今回の調査からブルーレイのジャンル別売上も公表されるようになったのでそちらも見てみます

ブルーレイの流通チャンネル別売上
金額 構成比 前期比 前年同期比
販売用(個人向) 77億52百万円 91.8% 110.4% 391.5%
レンタル店用(個人向) 6億85百万円 8.1% 122.5% 337.4%
その他・業務用 6百万円 0.1% 600.0% ERR

現状はほぼ個人向けの販売用が売上のほとんどを占めています

ブルーレイ 販売用(個人向け)の売上
ジャンル 合計金額 回答社数 構成比 前期比 前年同期比
邦画(TVドラマを除く) 3億96百万円 11社 5.1% 440.0% 3960.0%
日本のTVドラマ 91百万円 3社 1.2% 433.3% ERR
洋画(TVドラマを除く) 18億44百万円 16社 23.8% 71.0% 140.9%
海外のTVドラマ 1億22百万円 5社 1.6% 393.5% ERR
アジアの映画 1億56百万円 3社 2.0% 1950.0% 7800.0%
アジアのTVドラマ 3百万円 1社 0.0% ERR ERR
日本のアニメーション(一般向け) 43億86百万円 15社 56.6% 112.5% 939.2%
海外のアニメーション(一般向け) 2億43百万円 5社 3.1% 196.0% 347.1%
日本の子供向け(アニメーション) 5百万円 1社 0.1% ERR ERR
日本の子供向け(アニメーション以外) 19百万円 1社 0.3% ERR ERR
海外の子供向け(アニメーション) 0 0社 0.0% ERR ERR
海外の子供向け(アニメーション以外) 0 0社 0.0% ERR ERR
音楽(邦楽) 3億31百万円 6社 4.3% 252.7% 752.3%
音楽(洋楽) 26百万円 6社 0.3% 650.0% 866.7%
ビデオカラオケ 0 0社 0.0% ERR ERR
芸能・趣味・教養 1億30百万円 10社 1.7% 110.2% 173.3%
スポーツ 0 0社 0.0% ERR ERR
学校教育・企業教育・語学教育 0 0社 0.0% ERR ERR
成人娯楽 0 0社 0.0% ERR ERR
その他 0 0社 0.0% ERR ERR
合計 77億52百万円 30社 100.0% 110.4% 391.5%
ブルーレイ レンタル店用(個人向け)の売上

※売上が無いジャンルが多いので、売上があるジャンルだけ表記してあります

ジャンル 合計金額 回答社数 構成比 前期比 前年同期比
邦画(TVドラマを除く) 12百万円 1社 1.8% 200.0% ERR
洋画(TVドラマを除く) 3億07百万円 7社 44.8% 73.1% 164.2%
海外のTVドラマ 1億14百万円 3社 16.6% 670.6% ERR
日本のアニメーション(一般向け) 2億24百万円 2社 32.7% 263.5% 1120.0%
海外のアニメーション(一般向け) 28百万円 2社 4.1% 96.6% 254.5%
合計 6億85百万円 10社 100.0% 122.5% 337.4%


ブルーレイの売上の現状は販売用の売上がほとんどで、日本アニメーション(一般向け)と洋画の2つのジャンルに極端に偏っています。ただ売上は少ないものの前年同期比に比べ大幅に売上を伸ばしてきているジャンルもあり、そろそろ本格的に普及期に入っていくのではないかと思います

日本アニメーション(一般向け)の2008年上半期と2009年上半期のDVDビデオとブルーレイの売上を足した金額の比較

さてブルーレイの売上が大きい「日本アニメーション(一般向け)」ですが、このジャンルは前年同期の2008年上半期の統計調査にもおおよそのブルーレイの売上があり、それをDVDビデビデオの売上(販売用)と合わせて比較してみるとこうなります
※2008年上半期のブルーレイの売上は販売用とレンタル店用を合わせた金額のようですが、ブルーレイの売上は上記のように販売用の売上がほとんどを占めているため、販売用の売上で比較してみました
※2008年上半期の売上は日本映像ソフト協会会報 No.130(pdf)より

2008年上半期
日本アニメーション(一般向け)
DVDビデオ販売用(個人向け)売上 246億06百万円
ブルーレイ売上 約4億72百万円
合計 約250億78百万円
2009年上半期
日本アニメーション(一般向け)
DVDビデオ 販売用(個人向け)売上 224億47百万円
ブルーレイ 販売用(個人向け)売上 43億86百万円
合計 268億33百万円


さらにレンタル店用も合わせるとこうなります

2008年上半期
日本アニメーション(一般向け)
DVDビデオ販売用(個人向け)売上 246億06百万円
DVDビデオレンタル店用(個人向け)売上 96億95百万円
ブルーレイ売上 約4億72百万円
合計 約347億73百万円
2009年上半期
日本アニメーション(一般向け)
DVDビデオ 販売用(個人向け)売上 224億47百万円
DVDビデオレンタル店用(個人向け)売上 85億41百万円
ブルーレイ 販売用(個人向け)売上 43億86百万円
ブルーレイ レンタル店用(個人向け)売上 2億24百万円
合計 355億98百万円


日本アニメーション(一般向け)販売用の2009年上半期のDVDビデオの売上は2008年上半期に比べ8.8%ほど減少したのですが、ブルーレイの売上の著しい伸びがその減少分を上回り、さらにレンタル店用の売上の減少分(前年同期比11.9%減)をも補う形になり、販売用とレンタル店用を合わせた全体としても日本アニメーション(一般向け)は2008年上半期より売上が伸びている
この景気の中でも再生機器の購入など見るのにお金がかかりやすいブルーレイの売上がここまで伸びているあたり、アニメファンの画質へのこだわりと購買力はやはり侮れないなと