日本の世帯は月々いくら通信費を支払っているのかを「家計消費状況調査」から見てみた

現在多くの人は携帯電話やインターネットなどを利用していると思います。そして利用する以上は当然月々に利用料金がかかるわけですが、そういう携帯電話やインターネットなどの通信費に月々どれくらい支払っているのかを、総務省統計局が公表している「家計消費状況調査」の平成21年(2009年)平均確報*1から見てみました

※各数字は統計局ホームページ家計消費状況調査 調査結果にある平成 21年平均確報より

全国と地方における一世帯当たり1ヶ月の通信費関連の平均支出

まずは全国と北海道、東北、関東、北陸、東海、近畿、中国、四国、九州・沖縄の一世帯当たり1ヶ月の通信費の平均支出を見てみます。対象は移動電話(携帯電話・PHS)、固定電話、インターネット接続料(プロバイダー料と通信料)で、さらに対象となる料金は以下のようになります
家計消費状況調査 用語の説明 支出関連項目

移動電話(携帯電話・PHS)使用料

携帯電話、PHS等の基本使用料及び通話料、オプションサービスの利用料。携帯電話・PHSプリペイドカードを含む。

固定電話使用料

固定電話の基本使用料及び通話料、電報料、ケーブルテレビ電話使用料、定額制以外のインターネット通信料、フレッツISDN(定額制)以外の ISDN利用料など。
電話工事代、施設設置負担金、電話移転料、テレホンカード代及び公衆電話代は除く。

インターネット接続料(プロバイダー料と通信料)

プロバイダ料と定額制通信料のセット契約をしていない場合は、インターネットを利用するためのプロバイダ料のみ。プロバイダ料と定額制通信料のセット契約をしている場合は、ADSLフレッツISDN光ファイバーなどの定額制の利用料とプロバイダ料のセット料金。ケーブルテレビ回線を利用したインターネット接続料は除く。

全国平均
全国
移動電話(携帯電話・PHS)使用料 8,216円
固定電話使用料 2,594円
インターネット接続料(プロバイダー料と通信料) 1,646円
地域ごとの平均
北海道 東北 関東 北陸 東海 近畿 中国 四国 九州・沖縄
移動電話(携帯電話・PHS)使用料 6,663円 8,379円 8,525円 8,363円 8,397円 8,081円 7,622円 7,798円 8,196円
固定電話使用料 2,597円 2,599円 2,589円 2,792円 2,557円 2,476円 2,647円 2,871円 2,587円
インターネット接続料(プロバイダー料と通信料) 1,475円 1,392円 1,923円 1,349円 1,685円 1,659円 1,437円 1,263円 1,331円


この数字は「世帯」の平均値なため世帯の人数によって支出金額(特に移動電話の使用料)がかなり変わってきます。そのため次に世帯の人数ごとの支出額も見てみます

世帯人数別一世帯あたり1ヶ月の通信費関連の平均支出

※世帯人数の平均数は2.50人

平均 1人 2人 3人 4人 5人 6人〜
移動電話(携帯電話・PHS)使用料 8,216円 4,147円 4,902円 10,114円 14,490円 17,179円 18,537円
固定電話使用料 2,597円 1,909円 2,798円 2,881円 2,839円 3,061円 3,597円
インターネット接続料(プロバイダー料と通信料) 1,646円 1,182円 1,199円 2,014円 2,464円 2,482円 2,351円


あと「世帯主」の年齢別だとこうなります

世帯主の年齢別一世帯あたり1ヶ月の通信費関連の平均支出

※世帯主の平均年齢は57.9歳

平均 〜24歳 25〜29歳 30〜34歳 35〜39歳 40〜44歳 45〜49歳 50〜54歳 55〜59歳 60〜64歳 65〜69歳 70歳〜
移動電話(携帯電話・PHS)使用料 8,216円 7,083円 11,075円 10,225円 10,838円 11,310円 13,968円 14,131円 10,731円 7,855円 5,309円 3,083円
固定電話使用料 2,597円 156円 705円 1,566円 2,146円 2,524円 2,644円 2,701円 2,748円 2,909円 2,922円 2,830円
インターネット接続料(プロバイダー料と通信料) 1,646円 2,121円 2,516円 2,567円 2,498円 2,510円 2,613円 2,363円 1,837円 1,538円 1,102円 665円


個人的には移動電話(携帯電話・PHS)使用料と固定電話使用料はこんなものかなと思いますが、インターネット接続料はちょっと少ないかなと。まあこの数字は平均値なので中央値だとまた変わってくるとは思います。あと面白いと思ったのは世帯主の年齢別における固定電話使用料。世帯主の年齢が〜24歳、25〜29歳あたりの固定電話使用料が際だって低い。おそらくこの年代の世帯主だと電話は携帯やskypeで固定電話を使用していない人も多いからじゃないかと思います

2002年(平成14年)からの推移

ついでにこれらの支出の2002年(平成14年)からの推移もまとめてみました
※数字は一世帯あたり1ヶ月の通信費関連の平均支出(全国平均)です

移動電話(携帯電話・PHS)使用料 固定電話使用料 インターネット接続料(プロバイダー料と通信料)
2002年 6,145円 4,048円 372円
2003年 6,954円 3,969円 650円
2004年 7,165円 3,713円 908円
2005年 7,351円 3,361円 1,032円
2006年 7,539円 3,089円 1,243円
2007年 7,785円 2,936円 1,351円
2008年 8,009円 2,745円 1,501円
2009年 8,216円 2,594円 1,646円


移動電話(携帯電話・PHS)使用料とインターネット接続料が年々上がっている反面、固定電話の使用料は下がっています。考えられそうな理由は移動電話(携帯電話・PHS)の場合パケット定額制の普及や固定電話からの通話の移行。インターネットの接続料はインターネットの利用人口の増加と光ファイバーの普及。固定電話は上記に述べたような携帯電話やskypeへの利用者の移行あたりでしょうか。まあ他にもあるとは思いますが
それとこの「家計消費状況調査」は他にも家具、衣類、自動車、家電、医療など様々な項目の月平均の支出額が記載されているのですが、通信関連の支出は月平均で見ると結構大きい金額なのがわかります。おそらく世帯の収入はこの不景気で変わらなかったり、減少していたりが多いでしょうから通信関連の支出の増加によって割を食っている産業もあるんだろうなと思ったりしました

*1:平成22年2月16日公表,総世帯,二人以上の世帯,単身世帯