2012年の「家計消費状況調査」から見る通信費の支出状況

統計局ホームページ/家計消費状況調査 調査結果にて2012年(平成24年)の家計消費状況調査の平均確報が公開されています。その調査の中から、通信費関連【移動電話(携帯電話・PHS)使用料、固定電話使用料、インターネット接続料(プロバイダ料金など)】の支出状況をまとめてみました。

2012年の通信費の支出状況

※家計消費状況調査における、移動電話(携帯電話・PHS)使用料、固定電話使用料、インターネット接続料(プロバイダ料金など)の対象は以下のようになります。
統計局ホームページ/家計消費状況調査 用語の説明 支出関連項目

移動電話(携帯電話・PHS)使用料
携帯電話、PHS等の基本使用料及び通話料、オプションサービスの利用料。携帯電話・PHSプリペイドカードを含む。

固定電話使用料
固定電話の基本使用料及び通話料、電報料、ケーブルテレビ電話使用料、定額制以外のインターネット通信料、フレッツISDN(定額制)以外のISDN利用料など。
電話工事代、施設設置負担金、電話移転料、テレホンカード代及び公衆電話代は除く。

インターネット接続料(プロバイダ料金など)

プロバイダ料と定額制通信料のセット契約をしていない場合は、インターネットを利用するためのプロバイダ料のみ。プロバイダ料と定額制通信料のセット契約をしている場合は、ADSLフレッツISDN光ファイバーなどの定額制の利用料とプロバイダ料のセット料金。
ケーブルテレビ回線を利用したインターネット接続料は除く。

※各数字は後に訂正される可能性があります。


2012年の1世帯当たり1ヶ月間の平均支出(総世帯)

※各数字は家計消費状況調査>支出関連項目>詳細結果表>年次>2012年3−1全国・地方・都市階級別1世帯当たり1か月間の支出(総世帯)(xls)3−4世帯人員・就業者数別1世帯当たり1か月間の支出(総世帯)(xls)より抜粋。
※世帯人員や世帯主の平均年齢などは以下のようになります。

集計世帯数 20,460世帯
世帯人員 2.47人
有業人員 1.20人
世帯主の年齢 58.7歳
全国平均(総世帯)
全国平均(総世帯)
移動電話(携帯電話・PHS)使用料 8,482円
固定電話使用料 2,434円
インターネット接続料(プロバイダ料金など) 1,832円
地域ごとの平均支出(総世帯)
北海道 東北 関東 北陸 東海 近畿 中国 四国 九州・沖縄
移動電話(携帯電話・PHS)使用料 7,220円 8,237円 8,751円 8,711円 8,951円 8,185円 8,044円 8,120円 8,474円
固定電話使用料 2,387円 2,708円 2,415円 2,602円 2,370円 2,292円 2,556円 2,501円 2,461円
インターネット接続料(プロバイダ料金など) 1,640円 1,697円 2,134円 1,694円 1,805円 1,749円 1,528円 1,454円 1,504円
世帯人数ごとの平均支出
1人 2人 3人 4人 5人 6人〜
移動電話(携帯電話・PHS)使用料 3,946円 5,320円 10,807円 15,156円 17,947円 20,379円
固定電話使用料 1,738円 2,616円 2,702円 2,723円 2,961円 3,698円
インターネット接続料(プロバイダ料金など) 1,276円 1,476円 2,234円 2,724円 2,704円 2,254円
2002年〜2012年までの1世帯当たり1ヶ月間の平均支出の推移

※2002年から2011年の数字は統計局ホームページ/家計消費状況調査 調査結果の年報の数字より抜粋。

移動電話(携帯電話・PHS)使用料 固定電話使用料 インターネット接続料
2002年 6,145円 4,048円 372円
2003年 6,954円 3,969円 650円
2004年 7,165円 3,713円 908円
2005年 7,351円 3,361円 1,032円
2006年 7,539円 3,089円 1,243円
2007年 7,785円 2,936円 1,351円
2008年 8,009円 2,745円 1,501円
2009年 8,216円 2,597円 1,646円
2010年 8,391円 2,532円 1,874円
2011年 8,585円 2,486円 1,886円
2012年 8,482円 2,434円 1,832円


支出世帯の1世帯当たり1か月間の平均支出金額

上記の「1世帯当たり1ヶ月間の平均支出」は基本的に全世帯が対象のため、携帯電話を持っていない。固定電話が無い。インターネットを接続していない。などの世帯も入っています。それとは別に実際に利用して料金を支払っている世帯(支出世帯)の平均支出金額も公開されています。
※各数字は家計消費状況調査>支出関連項目>詳細結果表>年次>2012年5−1全国・地方・都市階級別支出世帯1世帯当たり1か月間の支出金額(総世帯)(xls)より抜粋。

支出世帯の全国平均(総世帯)
支出世帯の全国平均
移動電話(携帯電話・PHS)使用料 10,886円
固定電話使用料 3,254円
インターネット接続料(プロバイダ料金など) 4,713円
地域ごとの支出世帯の平均(総世帯)
北海道 東北 関東 北陸 東海 近畿 中国 四国 九州・沖縄
移動電話(携帯電話・PHS)使用料 9,881円 11,112円 10,851円 11,247円 11,307円 10,560円 10,796円 10,795円 11,187円
固定電話使用料 3,263円 3,453円 3,269円 3,275円 3,240円 3,124円 3,308円 3,175円 3,245円
インターネット接続料(プロバイダ料金など) 4,685円 5,042円 4,748円 4,865円 4,581円 4,584円 4,620円 4,671円 4,723円
単身世帯と2人以上の世帯における支出世帯の平均

支出世帯の資料には世帯人数ごとや年齢ごとの支出金額の資料は無いため、単身世帯と2人以上の世帯の支出世帯の平均支出金額になります。

単身世帯 2人以上の世帯
移動電話(携帯電話・PHS)使用料 5,893円 12,597円
固定電話使用料 2,846円 3,385円
インターネット接続料(プロバイダ料金など) 4,555円 4,754円
2010年〜2012年までの支出世帯における1世帯当たり1ヶ月間の平均支出の推移
移動電話(携帯電話・PHS)使用料 固定電話使用料 インターネット接続料
2010年 11,008円 3,249円 4,852円
2011年 11,052円 3,256円 4,828円
2012年 10,886円 3,254円 4,713円


移動電話(携帯電話・PHS)使用料が減少した原因

2012年の通信費の平均支出を見ると移動電話(携帯電話・PHS)使用料が初めて前年より減少しています。スマホの普及もあり使用料の上昇傾向は続くものだと思っていたので、なぜ減少したのかなと思ったのですが、考えられそうな要因の一つが以下の事でしょうか。
携帯電話の通話時間、初めて減少 スマホ普及でデータ通信に移行 - MSN産経ニュース

総務省が30日発表した2011年度のわが国の通信利用状況調査によると、携帯電話から発信した音声通話の通信回数は前年度比0.7%減の591億7千万回で、携帯電話を調査対象に加えた1992年度以来20年間で初めて減少した。総務省では、スマートフォン(高機能携帯電話)の普及などによるパケット通信の利用増によるとみている。

携帯電話は通信時間も同1.8%減の22億7200万時間回と減少した。

これは2011年度の話ですが2012年もLINEのようなアプリの普及もあり携帯電話による音声通話の減少傾向が続き、そのため音声通話の通話料も減少、もしくはほとんど0といった人が増えたため、移動電話(携帯電話・PHS)の使用料が前年比減になった可能性があるのかなと。
もっとも、この調査における使用料の対象は「基本使用料及び通話料、オプションサービスの利用料」でスマホのアプリの利用料やモバゲーやGREEのような携帯ゲームに対する課金などは含まれていないようなので、携帯電話を通して支払う料金の総額自体は上昇傾向が続いているのではないかと思っています。