2009年上半期の有料音楽配信の売上が減少したことについて
社団法人 日本レコード協会のTHE RECORD 2009年9月号(pdf)にて2009年上半期の有料音楽配信の詳しい売上実績が発表されました。まずはその総売上から見てみるとこうなっています
各種統計|有料音楽配信売上実績より1月〜6月までの上半期の売上実績
※数量はダウンロードの回数です
数量 | 金額 | |
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2005年上半期 | 1億1107万5千 | 142億66百万円 |
2006年上半期 | 1億7945万7千 | 247億61百万円 |
2007年上半期 | 2億2590万7千 | 354億93百万円 |
2008年上半期 | 2億3978万2千 | 449億65百万円 |
2009年上半期 | 2億3372万9千 | 446億15百万円 |
こう見ると順調に売上を伸ばしていた有料音楽配信ですが、2009年になって急にその勢いが落ちたことがわかるかと思います
売上が落ちた要因は?
ではどうして2009年上半期の有料音楽配信の売上が落ちたのか?そのあたりを2009年上半期の売上の内訳から見てみます
まず目に付くのはモバイルの「Ringtunes」(主に着うた)の売上が落ちていることですが、これは2007年下半期ごろから売上が落ちてきています。でその代わりに伸びていたのがモバイルの「シングルトラック」だったのですが、2009年になってその売上の伸びが鈍化してしまったためにRingtunesの売上の落ち込みをカバーできなくなった。それが2009年上半期の売上が落ちてしまった要因といってよいかと思います
有料音楽配信の売上の落ち込みが与えていそうな影響
ネット音楽配信はCDの売上減少を支えきれたのか!? 音楽CDなどの売れ行きと有料音楽配信の売上をグラフ化してみる:Garbagenews.com
上記の記事を読んでみるとわかるのですが、ここ数年の日本の音楽産業はCDの売上の落ち込みを有料音楽配信が支えてきた形でした。しかし2008年には有料音楽配信の売上の伸びがCDの売上の落ち込みを支えきれなくなっています。さらに2009年上半期はその有料音楽配信も売上が落ちてきています。2009年下半期がどうなるかわかりませんが、もしこのまま有料音楽配信の売上の落ち込みが続くとなるとレコード会社や音楽の著作権者としてはかなり厳しいかと
2008年10月に違法着うたフル配信で初の逮捕 ユーザー100万人の人気サイト運営者 - ITmedia NEWSという事件がありましたが、このあたりから違法着うたサイトへの取り締まりが一段と厳しくなってきていること。そしていろいろな反発がありながらも改正著作権法いわゆる「ダウンロード違法化」を成立させたことも、この有料音楽配信の売上の落ち込みが多少なりとも影響しているのかもしれないと思ったりしました