2009年のファイル共有ソフトの利用状況

(社)コンピュータソフトウェア著作権協会ACCS)、(社)日本レコード協会RIAJ)、日本国際映画著作権協会(JIMCA)等が中心になって毎年行っているファイル共有ソフト利用実態調査」の2009年の調査結果が公表されました。そのアンケート調査の中から現在利用されているファイル共有ソフトの現状を見てみようと思います

2009年のファイル共有ソフトの利用状況

まず2009年のファイル共有ソフトの利用状況ですが、全体の利用状況は
第8回「ファイル共有ソフト利用実態調査」 | 調査報告書 | 活動報告 | ACCS

1.ファイル共有ソフトの利用状況

ファイル共有ソフトの「現在利用者」※1の割合は、9.1%
ファイル共有ソフトの「過去利用者」※2の割合は、11.7%

※1「現在利用者」は、2008年10月以降にファイル共有ソフトを利用したことのある者を指す。
※2「過去利用者」は、2008年9月以前にファイル共有ソフトを利用していた者を指す。
2008 年9 月に行った同様の調査では、「現在利用者」の割合は10.3%、「過去利用者」は10.8%

となっています。そしてファイル共有ソフト毎の利用状況は以下の通りになります


第8回「ファイル共有ソフト利用実態調査」 | 調査報告書 | 活動報告 | ACCS
ファイル共有ソフトの利用に関する調査〜アンケート調査〜概要版(pdf)より


さらに利用者の多いファイル共有ソフトを去年の利用状況と比較すると
※2009年のBitTrrentの項目は本来BitComet・BitTorrentですが「BitTorrent」に統一しています

2008年 割合 2009年 割合
Winny・WinnyP 28.4% Winny・WinnyP 23.1%
LimeWire 18.3% Cabos 19.0%
Cabos 15.1% LimeWire 16.3%
WinMX 10.3% BitTorrent 14.5%
Share 10.2% Share 9.6%
BitTorrent 8.0% WinMX 8.7%

前年比で見ると

Winny・WinnyP −5.3%
Cabos +1.2%
LimeWire +0.7%
BitTorrent +6.5%
Share −0.6%
WinMX −1.6%

となります

雑感

ファイル共有ソフト毎の利用状況を見るとWinnyの利用者が一番多いように見えますが、CabosLimeWireGnutellaのクライアントのため、CabosLimeWireを足してGnutella35.3%Winny・WinnyP23.1%のほうが正確かなと
また前年からの増減を見るとWinny、Share、WinMXが減少、CabosLimeWireBitTorrentが増加しています。なんというか国内で逮捕者を多く出しているファイル共有ソフトの利用者が減り、逆に逮捕者がほとんど出ていないファイル共有ソフトの利用者増えているような。ただCabosLimeWire、BitTorentは匿名性で言えばWinnyやShare比べればほぼ皆無と言っていいくらい低い。さらにいうとCabosLimeWireGnutellaは流通しているファイルのほとんどが著作物と推測されるもの*1ですし、BitTorrentについてはダウンロードと同時にアップロードも行うため現行法でも充分摘発できるはずだと思うのですが、不思議なくらい国内ではほとんど逮捕者が出ない。この理由については正直よくわからないですが、もしかしたらGnutellaBitTorrentWinny、Shareと違い世界中にネットワークが広がっている事が問題なのでしょうか

*1:著作物と推測されるコンテンツの流通状況はWinnyが47.6%、Shareが52.7%、Gnutellaは90.6%となっている(ファイル共有ソフトの利用に関する調査〜クローリング調査〜(pdf)より)