咲-Saki-における女子高校生の麻雀競技人口と高体連加盟スポーツの登録人数との比較

先日、TVアニメの「咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A」が終了しましたが、この咲-Saki-の世界では女子高校生の麻雀競技人口についてこんな風に述べられています。


咲-Saki- 世界で起こったことをひたすら時系列順に並べただけのまとめ - NAVER まとめ

女子高校生の麻雀競技人口 
 少なくとも70年前時点で、全国規模の大会を行うだけの女子高校生競技人口は存在していた。
 (今年のインターハイが第71回であることから)

 (今年のインターハイのルールを指して)「一万人の中から特殊な子どもを選り分けるシステム」(第26局)
 (宮永照を指して)「高校生1万人の頂点」(第56局)
 「全国高等学校麻雀選手権大会 1万人以上の高校生がその頂きを目指す」(阿知賀編第8話)

 このように麻雀競技人口が女子高校生に限定して語られる場合、常に「1万人」である。

ただし、上記のまとめではもう少し多いのではないかとも考察しています。

総合して「1万人」は
 「具体的な数字が出ている地区以外がほぼ最小規模の100人〜200人程度」と想定し
 「長野が3分の1以下」が「大都市圏が分割地区ではなく自治体ベースで長野の3倍」
 で「団体戦出場選手のみの総数」を計算した場合には相応の数字と言えるかもしれない。

 「長野が3分の1以下」を「大都市圏の分割地区だけで長野の3倍の出場校がある」
 と解釈した場合参加人数が数千人跳ね上がる。
 この場合団体戦出場者のみで「1万何千人」と表現した方が実態を現すにはよさそうである。

 「1万人」を「女子高校生の麻雀競技人口総数」として解釈するには
 多くの高校に補欠選手などもいるであろうことも考えると少なく思われる。
 (第26局)(阿知賀編第8話)の表現も合わせれば
 「1万人はインターハイ団体戦出場者に限定した概数」と解釈した方が自然であろう。


そんな1万〜1万数千人の競技人口があるとされる咲-Saki-の世界の女子高校麻雀ですが、現実の高校スポーツの選手数と比べるとどんな感じになるのかをちょっと見てみました。

2011年度高体連加盟スポーツの登録人数

全国高等学校体育連盟高体連)の加盟登録人数は公益財団法人 全国高等学校体育連盟 加盟登録状況平成23年度加盟登録状況(PDF)より。
高校野球高体連では無く、日本高等学校野球連盟高野連)が統括しているため、部員数統計(硬式)|資料|公益財団法人日本高等学校野球連盟平成24年度の部員数になります。
※一部の都道府県では水泳(飛込)と水泳(水球)は水泳(競泳)に、新体操が体操に含まれていますのでその点を注意して見てください。

競技名 男子人数 競技名 女子人数 競技名 男女合計人数
1 サッカー 150,405 1 バスケットボール 62,225 1 ※野球(硬式) 168,144
2 バスケットボール 89,510 2 バレーボール 59,151 2 サッカー 159,118
3 陸上 65,646 3 バドミントン 51,081 3 バスケットボール 151,735
4 テニス 64,076 4 陸上 36,403 4 陸上 102,049
5 卓球 50,907 5 テニス 35,736 5 バドミントン 100,614
6 バドミントン 49,533 6 ソフトテニス 35,532 6 テニス 99,812
7 ソフトテニス 46,299 7 弓道 31,254 7 バレーボール 94,872
8 バレーボール 35,721 8 ソフトボール 24,853 8 ソフトテニス 81,831
9 弓道 33,610 9 卓球 18,609 9 卓球 69,516
10 剣道 31,484 10 剣道 16,412 10 弓道 64,864
11 ハンドボール 29,052 11 ハンドボール 14,664 11 剣道 47,896
12 ラグビー 24,982 12 水泳(競泳) 11,726 12 ハンドボール 43,716
13 柔道 20,638 13 サッカー 8,713 13 ソフトボール 31,194
14 水泳(競泳) 18,722 14 柔道 4,864 14 水泳(競泳) 30,448
15 空手道 6,734 15 空手道 3,973 15 柔道 25,502
16 登山 6,671 16 体操 2,788 16 ラグビー 24,982
17 ソフトボール 6,341 17 新体操 2,160 17 空手道 10,707
18 ボート 3,002 18 登山 1,747 18 登山 8,418
19 アーチェリー 2,954 19 ホッケー 1,638 19 体操 5,243
20 ボクシング 2,473 20 ボート 1,625 20 ボート 4,627
21 体操 2,455 21 アーチェリー 1,543 21 アーチェリー 4,497
22 レスリン 2,384 22 なぎなた 1,466 22 ホッケー 3,788
23 ホッケー 2,150 23 少林寺拳法 1,384 23 少林寺拳法 3,441
24 少林寺拳法 2,057 24 スキー 846 24 スキー 2,751
25 スキー 1,905 25 フェンシング 779 25 新体操 2,615
26 ウエイトリフティング 1,748 26 カヌー 444 26 ボクシング 2,473
27 自転車 1,596 27 スケート 322 27 レスリン 2,384
28 フェンシング 1,325 28 ヨット 298 28 フェンシング 2,104
29 水泳(水球 1,264 29 水泳(飛込) 38 29 ウエイトリフティング 1,748
30 相撲 1,044 * * * 30 自転車 1,596
31 カヌー 1,015 * * * 31 なぎなた 1,466
32 スケート 965 * * * 32 カヌー 1,459
33 ヨット 868 * * * 33 スケート 1,287
34 新体操 455 * * * 34 水泳(水球 1,264
35 水泳(飛込) 54 * * * 35 ヨット 1,166
* * * * * * 36 相撲 1,044
* * * * * * 37 水泳(飛込) 92


女子の高校スポーツで1万数千人の選手数がある競技は、競泳(11,726人)、ハンドボール(14,664人)、剣道(16,412人)、卓球(18,609人)あたり。現実の女子高校スポーツと比べると中堅規模クラスの競技人口と言えるでしょうか。


さて、現実の女子高校スポーツの選手数と比べると多くもなく、少なくともないといった感じの咲-Saki-の世界における女子高校麻雀ですが、全国大会(地方予選も?)では一回戦からテレビ中継もされ、マスコミも多数取材に来ている描写があります。現実の高校スポーツにおいてそのレベルの扱いをされるのは高校野球(168,144人※部員数)くらいでしょうから、競技人口から考えれば破格の扱いといえるでしょう。
逆に言うとこれだけの扱いをされていても競技人口が1万〜1万数千人というあたり、咲-Saki-の1巻で原村和の父が、

"遊び"はほどほどにしておきなさい。

麻雀だってほぼ運で決まる不毛なゲームだろう。練習して大会なんてバカバカしい。

なんて事を言っていますが、咲-Saki-の世界の麻雀は「21世紀 世界の麻雀競技人口は1億人を突破」という人気競技であると同時に、世間からは割と冷めた目で見られている一面もあるのかなと思ったりしました。