木島英登氏のツアーは旅行業法違反?

車いす客に自力でタラップ上がらせる バニラ・エア謝罪:朝日新聞デジタル
このバニラ・エアの件で何かと話題の木島英登氏(以下木島氏)ですが、サイトを見ていると個人ボランティアという形式でツアーの企画なんかもしています。
夢の実現World Travel 行ってみたい、あの場所へ
※7/5 追記
7/4に夢の実現World Travel 行ってみたい、あの場所へを削除した模様です。また復活するかもしれませんが、それまでサイトの詳細は以下のアーカイブを見て下さい。
http://archive.is/5Nk9e
http://archive.is/q3Mbq
http://archive.is/fAZiL
http://archive.is/FejH7


それで、これを見た時に思ったのが旅行業法違反なのでは?と。
どうしてかというと、旅行業法において旅行業の定義は以下の条文となっています。
旅行業法

(定義)
第二条  この法律で「旅行業」とは、報酬を得て、次に掲げる行為を行う事業(専ら運送サービスを提供する者のため、旅行者に対する運送サービスの提供について、代理して契約を締結する行為を行うものを除く。)をいう。
一  旅行の目的地及び日程、旅行者が提供を受けることができる運送又は宿泊のサービス(以下「運送等サービス」という。)の内容並びに旅行者が支払うべき対価に関する事項を定めた旅行に関する計画を、旅行者の募集のためにあらかじめ、又は旅行者からの依頼により作成するとともに、当該計画に定める運送等サービスを旅行者に確実に提供するために必要と見込まれる運送等サービスの提供に係る契約を、自己の計算において、運送等サービスを提供する者との間で締結する行為
二  前号に掲げる行為に付随して、運送及び宿泊のサービス以外の旅行に関するサービス(以下「運送等関連サービス」という。)を旅行者に確実に提供するために必要と見込まれる運送等関連サービスの提供に係る契約を、自己の計算において、運送等関連サービスを提供する者との間で締結する行為
三  旅行者のため、運送等サービスの提供を受けることについて、代理して契約を締結し、媒介をし、又は取次ぎをする行為
四  運送等サービスを提供する者のため、旅行者に対する運送等サービスの提供について、代理して契約を締結し、又は媒介をする行為
五  他人の経営する運送機関又は宿泊施設を利用して、旅行者に対して運送等サービスを提供する行為
六  前三号に掲げる行為に付随して、旅行者のため、運送等関連サービスの提供を受けることについて、代理して契約を締結し、媒介をし、又は取次ぎをする行為
七  第三号から第五号までに掲げる行為に付随して、運送等関連サービスを提供する者のため、旅行者に対する運送等関連サービスの提供について、代理して契約を締結し、又は媒介をする行為
八  第一号及び第三号から第五号までに掲げる行為に付随して、旅行者の案内、旅券の受給のための行政庁等に対する手続の代行その他旅行者の便宜となるサービスを提供する行為
九  旅行に関する相談に応ずる行為

条文だとわかりづらいですが、噛み砕くと以下のようになります。


旅行業法について/茨城県旅行業法について(PDF)より引用。

1 旅行業の定義(法第2条第1項)
旅行業とは(1)報酬を得て(2)一定の行為(旅行業務)を行う(3)事業をいう。


(1)報酬とは?
・一定の行為を行うことにより,経済的収入を得ていれば(利益ではない)報酬となる。(募集経費,割戻金,送客手数料,旅行業務取扱料金等)
・企画旅行のように包括料金で取引されるものは,旅行者から収受した金銭は全て一旦事業者の収入として計上されるので,報酬を得ていると認められる。


(2)一定の行為とは?
・旅行者と運送・宿泊・運送等関連サービス提供機関の間に入り,旅行者が運送・宿泊・運送等関連サービスの提供を受けられるように旅行を造成又は手配する行為及び旅行相談に応じる行為。
※国,地方公共団体,公的団体又は非営利団体が実施する事業であったとしても,報酬を得て,法第2条第1項各号に掲げる行為を行うのであれば旅行業の登録が必要である。


(3)事業とは?
・「ある行為を反復継続して行うこと」である。
例えば,ある団体において複数の企画旅行を実施している場合は事業性が認められる。

木島氏が行っているツアーは(1)、(2)、(3)、全てに当てはまっている可能性が極めて高い。その場合は旅行業登録をする必要があります。木島氏はhttp://www.kijikiji.com/yume/example.htm(※削除のためアーカイブを参照)を見てもわかる通り海外のツアーも行っていますから、総合旅行業取扱管理者の資格取得者も必要になると思われます。ちなみに旅行業登録には種別によって基準資産があり営業保証金の供託、事業年度ごとの取引額の報告が課せられます*1
しかし、木島氏は旅行会社では無く個人ボランティアという形式でツアーを行っており旅行業登録をしていないため、本来なら旅行業法違反となり100万円以下の罰金に処せられる。


はずなのですが、木島氏はこういう方法で旅行業法に抵触しないようにしているようです。

夢の実現/システム
※削除のためアーカイブを参照。
・ 友人同士の個人旅行です。旅行の保険はご自身の責任で加入してください。
・ 実際に会って、相談する。コミュニケーションをはかり、友人となる。

http://asahi.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1498697427/883
883 名前:名無しさん@1周年[sage] 投稿日:2017/06/29(木) 11:02:11.51 ID:5PM8lRoh0 [PC]
>4
これ法律良く調べて違反しないように注意しているな。
前に一度バスをチャーターして旅行に行く時に旅行業に抵触しないかを調べたことがあって、
業として扱われる一番の要件は顔も名前も知らない人を旅行に連れて行くこと。
有料であるとか収入になってるとか関係なく知り合いかどうかが重要なんだと。
だから、コイツも事実上引率なのに事前に知りあって友達同士の旅行ですよねって書いてる。

旅行業法について/茨城県旅行業法について(PDF)より引用。
2)旅行業に該当しない事例
(1)相互に日常的な接触のある団体内部で参加者が募集され,当該団体の構成員による参加者の募集
(例1)同一職場内で幹事が募集する場合
(例2)学校等により生徒を対象として募集する場合
※「日常的な接触」とは、互いに顔見知りかどうかが基準となる。

つまり、ツアーの前に実際に会って顔見知りだから友人との旅行という事になり旅行業法には抵触しないと。正直なところ法の抜け穴というかグレーゾーンを悪用している気もしますが、現在まで問題になっていない以上この方法で大丈夫なのでしょう。

木島氏についての感想

バニラ・エアの件とこのツアーについて調べていて思ったのが、木島氏はしっかりと事前調査もして各種法律にも精通している。さらにAbemaTVの『AbemaPrime』に出演した時の発言を見る限り障碍者という立場を武器にする事を厭わない。
バニラ・エア問題で渦中の木島英登氏が激白「騒動になったのは想定外。僕は終わった話だと思っている」 | Abema TIMES

木島氏はこれらの反応について、「色々な意見の方がいるなというのが、率直な感想だ。障害をもとにメシを食っていると言われても、実際そうですし、容姿が綺麗な方はモデルになり、話がうまい人は芸人になる。個性を活かして仕事をしているだけなので、"プロ障害者"と言われても良いかなとは思う」と話す。

こういう人に目を付けられて行動を起こされたらどうしようもない。まあ、目を付けられる方が悪いと言われればそれまでですが、障碍者の中には木島氏のような人物がいるという前提で行動し設備を改善していく必要があるのでしょうね。