インターネット広告が2ヶ月連続して減少した事と今後の影響と課題について思いつくまま書いてみた

asahi.com(朝日新聞社):広告業の売上高、5カ月連続で二けた減 経産省調査 - ビジネス・経済

経済産業省が15日発表した特定サービス産業動態統計調査(速報)によると、09年3月の広告業の売上高は前年同月比15.3%減の5472億5千万円だった。5カ月連続の2けた減で、調査が始まった87年12月以来、最長となっている。不況で企業の広告費抑制の動きが強まっている。


媒体別では、携帯電話などの情報通信やファッション、アクセサリー関連からの広告が激減した影響で、雑誌が同34.6%減と大きく落ち込んだ。自動車や金融からの広告もふるわず、新聞が24.9%減、ラジオは11.6%減。化粧品などの広告が減ったテレビも11.5%減だった。比較的堅調だったインターネット広告も5.4%減だった。

4媒体広告以外にもインターネット広告も前年同月比割れをする結果になっています。実はインターネット広告は2月も前年同月比95.5%だったのでこれで2ヶ月連続で前年同月比減という事になる。この特定サービス産業動態統計でインターネット広告を項目に加えたのは平成18年1月からなのですが2ヶ月連続のマイナスは初めての事で、おそらくそれ以前でも無かったことだと思う。もっとも他の広告媒体のほとんどは前年同月比で二桁以上のマイナスが当たり前のような状況なので、インターネット広告はまだマシなほうではありますがその影響はちらほら出てきている感じで、以前に
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結局こんな結果になってしまったり、各種先行投資のためとはいえmixiが減益予想をしているのも少なからずこのインターネット広告減少の影響の一つなんじゃないかと思う

インターネット広告の減少による影響の予想

現在のインターネット広告の減少は主に景気の影響が大きいでしょうからこのまま減少をし続けるとは思わないのですが、インターネットの普及率が7割を超えてきて*1国内のインターネットの利用人口もそろそろ頭打ちが見えてきており、今までのように利用人口増加に伴う広告の拡大が少しづつ小さくなってくるんじゃないかなと。そのためこれまでのようにインターネット広告が右肩上がりに伸びていくというのはだんだん難しくなってくるんじゃないかとも思う
そしてその影響を最も受けそうなのが広告費を元に基本的に無料でネットのサービスを運営してきた会社でしょう。おそらく今後は無料でサービスを提供できるのは本当に大手のところぐらいで、多くのサービスは今まで以上にいかにユーザーから直接収益を上げる事が生き残る鍵になってくると思う。現在ニコニコ動画やpixivなんかがユーザーからお金を支払ってもらうためにいろいろ試行錯誤しているのも一つにはそういう理由があるんじゃないのかなと


ただインターネットはユーザーからお金を支払って貰うのが非常に難しい。それは単にインターネットのユーザーがお金を支払いたがらないとかお金を持っていないというだけじゃなくて、インターネットでお金を支払うという事自体、特に少額の決済がめんどくさいという点にあると個人的に思っている。現在のインターネットの決済方法はいろいろありますがとてもじゃないがコンビニや書店等で物を買うような手軽さ、便利さは無いと言える。ユーザーからよりお金を支払って貰う事はこれからのインターネット全体の課題と言えるでしょうから、できればいろいろな垣根を越えた形でより使いやすい決済方法が出てきて欲しいと期待しています