バドミントンの試合会場における「風」についてのルール

世界一バド男子に不可解逆風…空調操作?田児「他の国じゃありえない」 (スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース
仁川アジア大会のバドミントン競技において「会場の風」が問題になり話題になっていました。それで、このニュースを見た時に試合会場における風の規定とか無いかな?と思いBWF(世界バドミントン連盟)のサイトにあるルールと大会レギュレーション関連の文章を読んでみたのですが、その中で一般的な大会レギューションの附則(国際標準施設の仕様)に以下のような規定があるようです。


Handbook II - 2014/15 - Laws and General Competition Regulations
Appendix 2 - Specifications for International Standards Facilities(PDF)

5・Air Movement

5.1 Any air movement e.g draughts from air conditioning must be tightly controlled or eliminated.

訳としては「例えば空調から吹き込む風のような、いかなる空気の動きも厳重に排除またコントロールされていなければならない」といった感じでしょうか。ちなみにNHKのニュースによると、


バドミントン会場 「風」巡り混乱 NHKニュース

手動で空調を調整

ケヤン体育館の施設管理の担当者はNHKの取材に対し、「組織委員会の指示で、会場の温度はシャトルがいちばんよく飛ぶと言われている24度に設定しなければならなかった。おとといの停電の影響で、きのうは節電対策として手動で空調をつけたり消したりしていた。きょうからは対策工事も終わり自動で温度調整ができ、会場内に吹いている風も安定している」と説明しました。

このような状況だったそうです。ようは意図的に空調を操作した訳ではないという事なのでしょうが、そもそも規定から言えば意図的かどうか以前に空調をまともに管理できていないならバドミントンの国際試合の会場としては不適格であり、そのような状況下で試合を行ったこと自体問題視されるべきかと考えます。


さて、このニュースの後、中央日報にこんな記事が出ていました。
<アジア大会>空調の風のせいにした日本バドミントン | Joongang Ilbo | 中央日報

読売新聞は22日、「バドミントン日韓戦で疑惑の向かい風…4強逃す」と題した記事で、日本の敗戦を風のせいにした。同紙は「主催側が冷房の風を調節して意図的に競技を妨害した」と主張した。

しかしこうした日本側の主張は事実無根であることが分かった。チェ・ソングク大会種目調整官は「競技場に設置された冷房は内壁の上段に固定されている。風速・風向きを調節するシステムはない」とし「もし問題になっていたとすれば日本チームが正式に抗議したはず。しかし抗議はなかった」と述べた。

桂陽体育館では20日午前、電力量急増による過負荷で5分間ほど停電事故が発生した。チェ調整官は「円滑な電力供給のために20、21日には冷房を1時間つけ、30分中断する方式で運営した」とし「22日未明、変圧器の電圧を高める作業をした。現在は競技中ずっと冷房をつけている。審判委員長も冷房システムを点検した後、問題がないことを確認した」と述べた。


対して、他国もこの風の事について問題視しているのか日本を含む4カ国で抗議文を提出したようです。
「バドミントンの風問題、4か国が抗議文提出」 News i - TBSの動画ニュースサイト

21日のバドミントン男子団体で日本は惜しくも韓国に敗れましたが、ゲーム中に会場の風向きが変わったのではないかと、日本をはじめとする4か国が大会の組織委員会に抗議文を提出しました。

話によるとバドミントンの試合会場における風の問題は割りとよくある事らしいので、この際キチンと試合会場における風の規定。例えば客観的な数値による規定なんかを作る方向性にしたほうが良いのではないのかなと個人的にはそう思っています。