国税庁の「酒のしおり」から見るお酒の現状-日本酒、焼酎編-
国税庁の「酒のしおり」から見るお酒の現状-洋酒編- - longlowの日記
国税庁の「酒のしおり」から見るお酒の現状-チューハイ編- - longlowの日記
に引き続き日本酒や焼酎といった日本になじみ深いお酒についての現状
酒のしおり|統計情報・各種資料|国税庁
酒類販売(消費)数量の推移(PDFファイル/1,006KB)より抜粋
連続式蒸留 | 単式蒸留 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
清酒 | 合成清酒 | しょうちゅう | しょうちゅう | ビール | 計 | |
平成8 | 1,213 | 52 | 403 | 286 | 6,697 | 9,657 |
平成9 | 1,112 | 51 | 401 | 291 | 6,330 | 9,410 |
平成10 | 1,052 | 52 | 393 | 296 | 5,857 | 9,456 |
平成11 | 1,030 | 55 | 405 | 317 | 5,508 | 9,554 |
平成12 | 977 | 58 | 411 | 324 | 5,185 | 9,520 |
平成13 | 933 | 60 | 453 | 338 | 4,622 | 9,556 |
平成14 | 888 | 62 | 468 | 364 | 4,132 | 9,455 |
平成15 | 826 | 63 | 487 | 435 | 3,783 | 9,120 |
平成16 | 746 | 63 | 497 | 486 | 3,617 | 9,042 |
平成17 | 719 | 63 | 497 | 502 | 3,408 | 9,015 |
平成18 | 688 | 67 | 480 | 520 | 3,305 | 8,856 |
※単位は千KL
※参考としてビールの数字も表記
※計は全酒類の合計値
※連続式蒸留しょうちゅう:焼酎甲類のこと
※単式蒸留しょうちゅう:焼酎乙類のこと
それと国内で生産が多いお酒でもあるので製造免許場数の推移も
酒のしおり|統計情報・各種資料|国税庁
〔免許場数〕(PDFファイル/344KB)
連続式蒸留 | 単式蒸留 | ||||
---|---|---|---|---|---|
清酒 | 合成清酒 | しょうちゅう | しょうちゅう | ||
平成8 | 2,368 | 81 | 120 | 851 | |
平成9 | 2,336 | 81 | 120 | 840 | |
平成10 | 2,307 | 81 | 120 | 821 | |
平成11 | 2,273 | 80 | 120 | 812 | |
平成12 | 2,238 | 79 | 122 | 805 | |
平成13 | 2,213 | 81 | 123 | 799 | |
平成14 | 2,174 | 78 | 118 | 804 | |
平成15 | 2,126 | 77 | 117 | 817 | |
平成16 | 2,087 | 78 | 117 | 840 | |
平成17 | 2,056 | 75 | 115 | 848 | |
平成18 | 2,016 | 71 | 115 | 862 |
※資料では複数の製造免許も持っているものについては主たる酒類を本書き、その他が外書きとなっていますがここでは両方合わせた数字を表記しています
焼酎は堅調。日本酒は不調
焼酎は連続式、単式とも非常に安定した消費量の推移をしている。酒類全体の消費の減少、そして平成元年と平成9年から平成11年かけての酒税法改訂による焼酎の酒税引き上げ考えると大健闘しているといってよいかと。これは連続式はチューハイ、カクテルのような品への転用。単式は本格焼酎のブランド化、高級、高品質化といった生産者の普及の努力や工夫が上手くいったことが要因と思われる
逆に日本酒(清酒)は堅調な焼酎とは違い消費量の減少が著しく昭和50年(1,675KL)と比べると半減以下になっている。それに伴い清酒の製造免許場数も減少している(消費量の減少に比べるとよくこれだけ残っているとは思いますが)。そういう意味ではウイスキー・ブランデーに近い*1危機的もともいえる状況かもしれない。ただウイスキー・ブランデーは全世界に輸出しているお酒のため日本が厳しい状況でも他の国でカバーするといったことも可能だけど、日本酒の場合は近年海外でも好評で輸出が伸びていると言われてはいますがその輸出量はまだ国内消費の1%程度*2しかないのでとても国内の落ち込みをカバーできるとはいえない状況です
焼酎、日本酒の今後の予想や課題について
焼酎に関していうとú{âsxXの発表(焼酎ブームのその先にあるものは!?〜今回の焼酎ブームの特徴〜(pdf))だと今回の焼酎ブームは終焉したとして今後は中小メーカーの格差が拡大し選別される時代になっていくだろうと述べている。連続式蒸留焼酎(甲類)は〜チューハイの需要もあるからともかく単式蒸留焼酎(乙類)は多少の消費量の減少があるかもしれない。とはいえ酒税引き上げといった逆風をしのいできただけあって地力があるでしょうから減少したとしてもすぐに立て直してきそうですが
また日本酒に関してだと消費量減少に歯止めをかけるために本来なら焼酎のような戦略をとっていくべきなんだろうけど、その前にまず日本酒全体の品質の管理をなんとかしたほうがいい。若年層が日本酒について
日本酒が嫌われる3つの理由 - ITmedia ビジネスオンライン
清酒を飲んだことはあるものの、「好きではない」「どちらとも言えない」と回答した人が、清酒を好まない理由を3つ挙げた。それは「悪酔いや二日酔いをするから」45.1%、「味」36.7%、「匂い」35.0%だった。年齢層が下がるにつれ、酒類全般が苦手とする割合は増えていて「若者の間では清酒に限らず酒類離れが進んでいることが推測できる」(同研究所)としている。
若年層が清酒を飲むようになるには、「清酒を飲みやすくしてほしい」という意見が目立った。飲みやすい飲料として具体的には「チューハイやカクテル」が多く、「清酒を敬遠する人は、果汁を使用した低アルコール飲料を飲みなれているため、清酒に抵抗感がある」(同)と指摘している。
と感じてしまう人が多くなっているのもそのあたりが原因かと。日本酒については質と味の改善これが急務でしょうね。あと日本酒の問題については「もやしもん」の2巻がいろいろ参考になると思うので興味があれば見てみて下さい
*1:ウイスキー・ブランデーの状況はこちらを見てみてください
*2:http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/living/cooking/111368/